1991 Fiscal Year Annual Research Report
食品アレルゲンによって誘導される免疫抑制因子の単離・同定とその機能解析
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02454065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野川 修一 東京大学, 農学部, 教授 (50011945)
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Keywords | 免疫抑制因子 / ILー10 / 抑制T細胞 / 免疫寛容 / 食品アレルゲン |
Research Abstract |
免疫寛容現象は免疫系の自己の非自己の認識を考える上で非常に重要な問題である。自己に対する寛容状態の破綻は各種の自己免疫疾患と関わりがあり、また非自己に対する免疫不全も人体に多大なる悪影響をもたらす。このような免疫寛容状態を制御することは大きな課題であるが、この寛容現象の分子レベルでの解明はあまり進んではいなかった。このような寛容状態の維持にCD8+抑制T細胞が関与しているが古くから考えられてきたが、その実体は未だに解明されていない。そこで我々はCD8+抑制T細胞の働きを詳細に解析するために継代化抑制T細胞のクロ-ン化を行い、試験管内における抗体産生応答あるいはT細胞増殖応答を抑制する13G2細胞を得た。さらにこの細胞の培養上清中に同様の免疫抑制活性があることが見いだされた。このためT細胞クロ-ンを抗原提示細胞と共に抗原で刺激し、この際の増殖応答を抑制するかどうかを指標にして、上清中に含まれる免疫抑制因子(ISF)の単離を種々のクロマトグラフィ-を用いて試みた。その結果この活性物質はヘルパ-T細胞が産生する抑制性のリンホカインであるILー10と同一であることが明かとなった。このILー10は抗原提示細胞の働きを阻害することにより遅延過敏症を誘導するヘルパ-T細胞の増殖応答を抑制することが示されており、臓器移植や自巳免疫疾患の治療の際に免疫抑制物質として臨床的に応用されることが期待され ている。今後、抑制T細胞やILー10の生体内における役割について解析を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hisatsune T.: "CD8+ suppressor T cell clone capable of inhibiting the antigenーand antiーT cell receptorーinduced proliferation of Th clones without cytolytic activity" The Journal of Immunology. 145. 2421-2426 (1990)
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[Publications] Hisatsune T.: "A suppressive lymphokine derived from Ts clone 13G2 is ILー10" Lymphokine and Cytokine Research. 11. 87-93 (1992)