1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454080
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 亮 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70221330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 平介 広島大学, 生物生産学部, 教授 (00034471)
荒井 克俊 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (00137902)
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Keywords | 純系実験魚 / 第2極体放出阻止 / 第1卵割阻止 / 紫外線照射精子 / 雌性発生二倍体 / 倍数化 |
Research Abstract |
遺伝的に斉一化した実験動物の作出技術開発を目標に,ドジョウを実験材料として,第一卵割阻止型雌性発生二倍体の作出に主体をおき,紫外線照射精子媒精卵の高温及び低温処理による染色体の倍数化諸条件の解明を行い,次の成果を得た。 1.高温処理 紫外線照射精子で媒精した卵を,媒精後種々の高温水で種々の時間処理した結果、正常稚魚の出現率は、39℃で90分間処理が最も高いこと,また媒精後5分と30分に処理を開始した場合に高い結果となった。卵の発生過程から,30分後処理区の稚魚が第1卵割処理により倍数化されたもので,5分後処理区の稚魚が第2極体放出阻止により倍数化されたものと推定された。しかし、正常ふ化稚魚率は前者の処理区において著しく低かった。 2.低温処理 紫外線照射精子媒精卵について、低水温で上記の場合と同様の時間帯で処理した結果,媒精後5分と30分処理区において、正常稚魚の出現が見られた。しかし、30分処理区では,5分処理区よりもその出現率が著しく低く,第1卵割阻止による倍数化が極めて因難なことが示唆された。 3.異種精子と倍数化 ドジョウの卵に対し.コイ等異種の照射精子でも雌性発生誘導が可能なこと,また倍数化率に差のないことが判明したことにより,雌性発生二倍体の確認が発生初期に可能となった。 4.親魚の個体差による倍数化率の差異 16尾の雌親から得た卵で雌性発生を誘起し,倍数化処理を行った結果,親魚の個体により倍数化の成功率が大きく異ったが,卵の老化とも関係しているように思われるので,来年度以降に解明したい。
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