1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454082
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
山中 英明 東京水産大学, 水産学部, 教授 (20092596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 俊 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (00089830)
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Keywords | クルマエビ / K値 / 乳酸 / グリシン / プトレシン / リン脂質 / フォスファチジルエタノ-ルアミン / エイコサペンタエン酸 |
Research Abstract |
1.活クルマエビを即殺し,低温(5°,0°,-1℃)に貯蔵するとATPは急激に減少し,AMPとIMPが蓄積した。イノシンとハイポキサンチンは可食状態では低含量であったが,腐敗が進行するとハイポキサンチンが急増した。K値は緩慢に増加し,20%で初期腐敗であった。2.クルマエビ中のグリコ-ゲンと解糖系中間代謝産物含量は比較的低かった。低温貯蔵中にスム-ズに代謝され,蓄積はみられなかった。解糖最終産物は乳酸であり,50mg/100gのレベルまで増加し,その後減少した。3.遊離アミノ酸はグリシン,アルギニン,プロリン,グルタミン酸,アラニン,タウリンで全体の97%を占め,とくにグリシン含量は高かった。遊離アミノ酸総量は低温貯臓初期に減少し,初期腐敗時に最高となった。オルニチンは死直後に検出されなかったが,貯蔵中に漸増し,鮮度判定指標として有用と思われた。4.低温貯蔵中にポリアミンとしてプトレシンのみが検出された。プトレシンは可食状態では検出されず,初期腐敗時に少量(1mg/100g)検出され,腐敗が進行すると急増した。5.クルマエビの脂質および5℃貯蔵中のその変化を調べたところ,一般に魚油の主成分であるトリグリセリドはなく,主要脂質成分はリン脂質およびステロ-ルであった。リン脂質ではフォスファチジルコリンおよびフォスファチジルエタノ-ルアミンが主要成分であり,その他フォスファチジルイノシト-ル,フォスファチジルセリンおよびスフィンゴミエリンが認められた。脂質含量は約1%であり,5℃貯蔵中に若干減少したものの大きな変化はなかった。しかし,TBA値は5℃貯蔵3日目で上昇し,10日目にはかなり酸化が進んだ。そこで,リン脂質のフォスファチジルエタノ-ルアミンについて脂肪酸組成を調べたところ,エイコサペンタエン酸(EPA)の減少が顕著であり,組成比で16%から2%になり,酸化の主要成分と考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Misuzu Matsumoto: "Postーmortem biochemical changes in the muscle of Kuruma prawn during storage and evaluation of the freshness." Nippon Suisan Gakkaishi. 56. 1145-1149 (1990)
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[Publications] Misuzu Matsumoto: "Changes in contents of glycolytic metabolites and free amino acids in the muscle of kuruma prawn during storage." Nippon Suisan Gakkaishi. 56. 1515-1520 (1990)