1991 Fiscal Year Annual Research Report
大腸上皮細胞HーKーATPaseの精製と局在に関する研究
Project/Area Number |
02454114
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 裕一 山形大学, 医学部, 助教授 (50091707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 一夫 山形大学, 医学部, 助教授 (70045699)
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Keywords | 大腸 / H,KーATPase / H^+ポンプ / ATPase |
Research Abstract |
1。HーKーATPaseの精製:様々なdetergentを用い可溶化を試みた。その中で、nーDodecylーβーDーmaltosideが最も良く、0.05%の濃度で、粗膜画分での活性は50ー70%残り、超遠心でそのうち約30%が上清にきた。蛋白当りの比活性をあげるため、高塩濃度溶液処理と、pH調整を行い、すこし比活性をあげることができた。現在SDSゲル電気泳動を試みている。一方で粗膜画分はATPを基質としてリン酸化され、それがKにより離脱する事も見いだした。これらの成果を基に、分子量の決定と単離を行っているところでいる。2。cDNAのクロ-ニング:モルモット大腸cDNAライブラリ-を、ラットNaーKーATPaseのcDNAをブロ-ブにしてクロ-ニングしたところ、NaーKーATPaseと胃のHーKーATPaseの両者に共に60ー70%のホモロジ-を持つクロ-ン(大きさから考えて全体のおおよそ50%を占める断片と園われる)が得られた。いろいろな面から考察し、これが目的とするHーKーATPaseの物である可能性が高い。現在これを手がかりに全塩基配列を決定する作業を進めている。3。局在に関する検討:セリウム沈澱法による組織化学的検討は、反応生成物が上皮細胞頂側膜に見られたが、特異的な阻害剤ウワバインで阻害されるという結果が得られず、現在のところはっきりした結論は得られていない。単クロ-ンを用いての検討は、蛋白の精製が成功した後に、或はcDNAのクロ-ニングがうまくいった後に、その成果をもとにして行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 渡辺 敏行: "Ouabainーsensitive K^+ーATPase in epithelial cells from guinea pig distal colon" American Journal of Physiology. 258. G506-G511 (1990)
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[Publications] 鈴木 裕一: "Hydrogen ion secretion by distal colon" Proceedings of Asian and Oseanian Physiological Society.