1990 Fiscal Year Annual Research Report
胃酸分泌にかかわる2種のCl^-チャネルの機能・構造・制御の解明
Project/Area Number |
02454115
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹口 紀晃 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00019126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 真司 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90167891)
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Keywords | Cl^-チャネル / プロトンポンプ / 胃酸分泌 / H^+,K^+ーATPase |
Research Abstract |
(1)漿膜側Cl^-チャネルについて。全細胞パッチクランプ法を使って,Cl^-電流を捕えた。このCl^-チャネルについてはこれまで知られていないものであった。哺乳動物の胃酸分泌細胞の細胞膜電位を獲得するのに非常に重要なチャネルであることがわかった。このチャネルは,Cl^-チャネル阻害剤であるNPPB阻害された。単一チャネル電流は非常に小さく,ノイズアナリスより単一電流は,約0.35pSであることが判明した。細胞内のいかなるメッセンジャ-によって,このCl^-チャネルが制御されているかを調べたところ,アラキドン酸によって活性化を受けることがわかった。最近アラキドン酸によって不活性化を受けるCl^-チャネルが報告されているが,活性化を受けるCl^-チャネルはこれが初めてである。このCl^-チャネルは,細胞膜電位を形成するとともに,外部より障害が加わったりすると,アラキドン酸生成を介して,細胞膜電位を深くして,細胞を防御する機能を有すると考えられる。現在インタ-ロイキンとの関連について調べている。 (2)分泌側Cl^-チャネルについて。哺乳動物の単離した胃酸分泌細胞では、頂端膜がメディウムに露出していなく,パッチクランプ法によって,頂端膜側Cl^-チャネルの研究を行うことは不可能である。しかし,我々の研究からは,下等なアカハライモリの胃酸分泌細胞を,ヒスタミンH_2アンタゴニスト存在下で調整すると,漿膜側膜と頂端膜との極性を維持した状態で,また頂端膜がメディウムに露出した状態で標本として得ることができた。このことを,頂端膜中に存在するH^+,K^+ーATPaseの細胞外に面している部分のペプタイドを抗原としてポリクロナ-ル抗体を作製し,その抗体が細胞外表面の一部を蛍光抗体染色できることから示した。今後,セルアタッチパッチで,このCl^-チャネルの同定を進める予定である。
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[Publications] S,Asano: "Reversible inhibitions of gastric H^+,K^+_ATPase by scopadulcic acid B and diacetyl scopadol.New biochemical tools of H^+,K^+-ATPase." Journal of Biological Chemistry. 265. 22167-22173 (1990)
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[Publications] M.Takeguchi: "The presence of H^+,K^+-ATPase in the crypt of rabbit distal colon demonstrated with monoclonal antibodies against gastric H^+,K^+-ATPase." Gastroenterology. 99. 1339-1346 (1990)
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[Publications] M.Morii: "Binding site of omeprazole in hog gastric H^+,K^+-ATPase." Biochemical Biophysical Research Communications. 167. 754-760 (1990)
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[Publications] T.Kashiwagura: "Dependence of cellular metabolism on the intracellular pH of isolated rabbit parietal cells" Japnese Journal of Physiology. 40. 865-876 (1990)