1991 Fiscal Year Annual Research Report
ネコ前肢運動制御に関係する脊髄介在ニュ-ロンの髄節分布と機能局在の研究
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02454120
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
本郷 利憲 東京大学, 医学部(医), 教授 (60013843)
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Keywords | 脊髄 / 介在ニュ-ロン / premotorニュ-ロン / 一次求心性線維 / 後索 / 錐体路 / 赤核脊髄路 / ネコ |
Research Abstract |
ネコ頚髄の介在ニュ-ロンの機構の解析し、次の成果を得た。 1.C6、C8で後索を切断、さらにその吻側および尾側の後根を切断したC6ーC8分離標本でT1運動ニュ-ロンの細胞内記録を行い、皮膚、筋求心性線維、錐体路、赤核脊髄路の組み合わせ刺激で促通されるシナプス電位を解析し、運動ニュ-ロンに投射するC6ーC8介在ニュ-ロンへのこれら入力系の収束の様式を調べた。その結果、筋I群線維からの2シナプス抑制路の介在ニュ-ロンに対し皮膚線維、錐体路、赤核脊髄路がそれぞれ2シナプス性に、皮膚反射経路の介在ニュ-ロンに対し錐体路、赤核脊髄路が単および2シナプス性に、錐体路および赤核脊髄路からの2シナプス経路の介在ニュ-ロンに対し皮膚線維が単および2シナプス性に、収束入力することが示された。 2.上記1で解析した運動ニュ-ロンのシナプス電位はC6ーC8の介在ニュ-ロンにより伝達されたはずである。そこでC6ーC8脊髄筋で、T1運動核または側索から逆行性に応じpremotorと考えられる介在ニュ-ロンから直接記録、解析し、各ニュ-ロンの所在、皮膚、筋一次求心性線維、錐体路、赤核脊髄路からの入力の収束の様式を明らかにした。また順行性発火と逆行性発火の潜時から、それが各入力の作用を運動ニュ-ロンに伝えるときの中枢潜時を189ヶの介在ニュ-ロン各々で求めた。こうして得られた介在ニュ-ロン経路の入力収束パタンと中枢潜時は、実際に運動ニュ-ロンで記録されたPSPのそれと良く一致し、記録した介在ニュ-ロンがそれらのPSPを伝えることが強く示唆された。記録したpremotorニュ-ロン候補の介在ニュ-ロンは、それらの入力パタンのクラスタ-分類により15群に分類され、各群は特有の脊髄内分布を示した。以上の結果から、下行路と一次求心性線維の信号は多様なpremotorニュ-ロン群により運動ニュ-ロンに伝達される、と結論された。
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[Publications] Hongo,T.: "Subgroups of C6ーC8 interneurone mediating reflex and descending effects to Tl motoneurones in the cat." Jpn.J.Physiol.41,Suppl.S244 (1991)
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[Publications] Kitazawa,S.: "Forelimb skin deafferentiation impaired limb movements in the cat." Neuroscience Research,Suupl.16. S104 (1991)