1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454121
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川口 三郎 京都大学, 医学部, 助教授 (70024635)
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Keywords | 脊髄損傷 / 脊髄伝導路の再生 / 脊髄髄節置換 / 神経回路の再構築 |
Research Abstract |
哺乳動物の中枢神経伝導路の再生と再構築の可能性を明らかにするためにラットにおける脊髄切断後の再生を調べ、また、脊髄髄節の置換を試みた. 1)ラットにおける脊髄切断後の上行性・下行性伝導路の再生:生直後から生後3カ月にまでのラットを用い、エーテルあるいはペントバルビタール麻酔下に鋭利なナイフで下部胸髄を完全に切断したのち、1〜2カ月後に上行性・下行性伝導路を蛍光色素の逆行性標識法により検索した.その結果、生後18日までに切断した殆どの例において正常の結合と区別し難い、上行性・下行性伝導路の著明な再生の起こることが判明した.すなわち、腰膨大に注入した色素によって大脳皮質、赤核、縫線核など下行性伝導路の起始核として知られている部位の細胞はいずれも標識され、また、視床、小脳、延髄に注入した色素によって腰膨大の細胞が標識された.また、再生した伝導路が機能的意義を有することは、これらの動物が行動の面から見ても全く正常なものと区別できないことから疑いを入れない. 2)新生ラットにおける脊髄髄節の置換:エーテル麻酔下に宿主の下部胸髄の1.5〜2髄節を完全に取り除き、その空所に胎児ラットの相同部位を含む脊髄髄節を移植した.移植髄節の生着が成功した例では、移植片によって脊髄は完全につながっており、切片標本によっても宿主の脊髄と移植片の間に境界を認めることはできなかった.トレーサーの順行性.逆行性標識法で検索してみると上位脳と腰膨大の間には移植髄節を通って錐体路や赤核脊髄路を含む強力な神経結合ができていることが確認された.移植片は白質と灰白質という脊髄特有の組織構造を示し、灰白質には運動神経細胞を含む多数の神経細胞が存在し、前根と後根の出入も認められた.これらの動物は正常ラットと同様に前肢と後肢を協調させて歩き、走り、金網を登り、排尿排便の障害も認められなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawaguchi,S.,Murata,M.,Iwashita,Y.: "Spinal cord regeneration after complete transection in neonatal rats." Neurosci.Res.Suppl.17. S185- (1992)
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[Publications] Iwashita,Y.,Kawaguchi,S.,Murata,M.: "Replacement of the spinal cord in neonatal rats by embryonic homotopic structures." Neurosci.Res.Suppl.17. S185- (1992)
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[Publications] Kawaguchi,S.: "Regeneration and reconstruction of neural connection in the cerebellum." Neurosci.Res. Suppl.17. S14- (1992)
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[Publications] 川口 三郎: "中枢神経伝導路の再生と神経回路網のシステムとしての再構築." ブレインサイエンス. 4. 49-57 (1993)
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[Publications] 川口 三郎: "小脳における神経伝導路の再生と神経回路網の再構築." 第95回日本医学会シンポジウム記録集. 117-120 (1992)
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[Publications] Kawaguchi,S.: "Reconstruction of mammalian central neural circuitry.In T.Ono,L.R.Squire,M.E.Raichle,D.I.Perrett,M.Fukuda (Eds),“Brain Mechanisms of Perception and Memory.From Neuron to Behavior"" Oxford University press,