1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野間 昭典 九州大学, 医学部, 教授 (00132738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾野 恭一 九州大学, 医学部, 助手 (70185635)
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Keywords | 心ペ-スメ-カ- / 背景電流 / 陽イオンチャネル / Clイオン / Kイオン |
Research Abstract |
心ペ-スメ-カ-リズムの発生は主として、Caチャネル、遅延整流Kチャネル、それに背景電流によっているとの我々の説に対して、過分極で活性化される陽イオンチャネルが重要な役割を担っているとするDiFrancesco等の説がある。我々はまずこの過分極で活性化される陽イオンチャネルの性質を明らかにする目的で、今回は外液CIイオンの影響を調べた。このチャネルは陽イオンチャネルであるにも関わらず、CIイオンを取り去ると電流が消失するという全く意外な性質を示す。実験の結果、(1)細胞外のCIイオンをisethionate、glutamate,acetateやaspartateに置き換えると、電流が消失し、I、NO_3ではコントロ-ルと同じ電流が得られる。(2)細胞体から剥離した細胞膜でも同じ結果であることから、これらの効果はイオンチャネルへの直接効果であることがわかった。(3)Cl濃度と電流の大きさの関係はヒル定数1で、半飽和値が11mMである。(4)電流活性化の電位依存性はCl濃度変化によっては影響されない。これらの結果に基づいて、このチャネルの外側に面した開口部には正の固定電荷が存在し、これをClイオンのような負イオンが電気的に消去した状態で、陽イオンがチャネルを通り抜けることが出来るのではないかと考えられた。大きな陰イオンはこの結合部位に到達出来ないのではないか。細胞内のKイオンをCsで置き換えると遅延整流Kチャネル電流をほとんど抑制した状態で、陽イオン電流を記録できるが、この電流の活性化の閾値はほぼー70mVであった。文献的にはー30〜ー70mVと細胞によって異なると報告されているが、我々の実験では極めて一定の活性化曲線が得られた。この電流の積極的な関与はペ-スメ-カ-機転では考えられない。これらの成果についてはJournal of Physiologyに近く掲載される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akinori Noma: "The ATPーsensitive K^+ channel" Japanese Journal of Physiology. 41. 177-187 (1991)
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[Publications] Dayi Qin: "Limitations due to unstirred layers in measuring channel response of excised membrane patch using rapid solution exchange methods." Japanese Journal of Physiology. 41. 333-339 (1991)
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[Publications] Zhuren Wang: "Conductance properties of the Na^+ ーactivated K^+ channel in guineaーpig ventricular cells." Journal of Physiology. 433. 241-257 (1991)
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[Publications] Akinori Noma: "Cytosolic free Ca^<2+> during operation of sodiumーcalcium exchange in guineaーpig heart cells." Journal of Physiology. 442. 257-276 (1991)
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[Publications] A.M.Frace: "Control of the hyperpolarizationーactivated cation current by external anions in rabbit sinoーatrial node cells." Jounal of Physiology.
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[Publications] Tamotsu Mitsuiye: "Exponential activation of the cardiac Na^+ current in single guineaーpig ventricular cells." Journal of Physiology.