1990 Fiscal Year Annual Research Report
スカベンジャ-受容体トランスジェニックマウスを用いた栄養・動脈硬化への役割研究
Project/Area Number |
02454131
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
板倉 弘重 国立健康・栄養研究所, 臨床栄養部, 部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 純一 熊本大学, 医学部, 助教授
児玉 龍彦 東京大学, 医学部・第三内科, 助手
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Keywords | スカベンジャ-受容体 / 動脈硬化 / トランスジェニックマウス / コレステロ-ル / マクロファ-ジ / モノクロ-ナル抗体 / 受容体遺伝子 |
Research Abstract |
スカベンジャ-受容体機能を明らかにするためトランスジェニックマウスの作成を試みた。今回導入したDNAのコンストラクトは以下のように行った。プロモタ-には発生過程度に影響を与えないよう胎生期になるべく発現せず、広汎な組織で発現し、外部から発現のインダクションが可能であることから、マウスMHCクラスIの1つであるL^dプロモタ-(BstII/BamH I断片、1.4kb)を用いた。ウシスカベンジャ-受容体I型あるいはII型cDNA(約2kb)をプロモタ-の下流(BamH I部位)に継いだウサギβーグロビン遺伝子のEcoRI部位(プロモタ-600bp下流)に挿入した。これらコンストラクトDNAをマイクロインジェクションする授精卵は純系のC56BL/6マウスより得た。 現在までに、I型とII型コンストラクトDNAを各々1,000個の卵にインジェクションし、I型受容体遺伝子の導入されたものが2系統、II型受容体遺伝子の導入されたものが4系統得られた。I型受容体のものはF_1まで得られている。まだ週齢が若く十分な解析は行っていないが、遺伝子の導入されていない個体と比較すると体重、体長とも有意に小さい系統が認められ、これが受容体発現の直接解果であるか否か今後解析を行う予定である。II型受容体を導入したものは現在F_2まで得られており、サザンブロット解析から導入した遺伝子が良好に伝わっていることが確認された。なお、II型ではI型に認められたような発育の悪さは認められていない。II型受容体を導入したF_2について、RNAブロット解析を行った結果、肝臓、脾臓をはじめ各組織にウシスカベンジャ-受容体mRNAの発現が確認された。これらの各組織の受容体蛋白の発現は抗ウシスカベンジャ-受容体モノクロ-ナル抗体D_2を現在ビオチンラベルし検討中である。また、II型の1系統で血清コレステロ-ル値の低下が認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Matsumoto,M.Naito,H.Itakura,S.Ikemoto,H.Asaoka,T.Kodama etal: "Human macrophage scavenger receptors:Primary structure,expression,and localization in atherosclerotic lesions" Proc Natl Acad Sci USA. 87. 9133-9137 (1990)
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[Publications] 板倉 弘重,松本 明世,児玉 龍彦: "血管病変とスカベンジャ-リセプタ-" 呼吸と循環. 39. 219-223 (1991)
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[Publications] 板倉 弘重,松本 明世,児玉 龍彦: "アセチルLDL受容体の構造と臨床的意義" 内科. 66. 752-753 (1990)