1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454142
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橘 正道 千葉大学, 医学部, 教授 (50009081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 智子 千葉大学, 医学部, 教務職員 (20143307)
石塚 俊治 千葉大学, 医学部, 助手 (50232294)
石嶌 純男 千葉大学, 医学部, 助手 (70184520)
鈴木 信夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (90111426)
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Keywords | 核酸前駆体合成 / ホスホリボシルピロリン酸合成酵素 / 制御タンパク / マグネシウムイオン / 増殖刺激 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
PRPP合成酵素触媒サブユニットに結合し、活性を制御していると考えられるタンパク質(38kDa)の解析を進める一方で、細胞レベルで制御因子としてのMg^<2+>動態の解析を行った。 1.ラット肝PRPP合成酵素結合タンパク質のペプチドアミノ酸配列の解析 ラット肝では触媒サブユニット(34kDa)が他のタンパク成分(38kDa、40kDa)と複合体を形成しており、これが制御タンパクである可能性が示唆された。そこでこのタンパク質の解析が必要となった。精製ラット肝酵素標品をSDS電気泳動し、38kDaタンパクを単離した。これをリジルエンドペプチダーゼで消化し、産物を逆相HPLCで精製して得たペプチドを気相プロテインシークエンサーにかけ、5個のペプチド断片N末アミノ酸配列を明かにした。驚くべきことにこのうち4個の配列が、PRPP合成酵素触媒サブユニットの部分配列と高い相同性を有していることがわかり、酵素の研究に新たな局面が開けた。今後このペプチド配列を基にcDNAクローニングを行う計画である。 2.増殖刺激後のSwiss3T3細胞におけるMg^<2+>動態の解析 蛍光色素mag-fura-2を用い、蛍光顕微画像法により細胞内遊離Mg^<2+>濃度を単一細胞レベルで測定した。遊離Mg^<2+>濃度は、細胞は増殖因子(EGFまたはボンベシン)で刺激すると1時間以内に上昇した。この上昇にはメジウム中にMg^<2+>が必要であり、フォルスコリンやホルボールエステルで刺激してもMg^<2+>濃度は変化なく、一方チロシンキナーゼ阻害剤が増殖因子によるMg^<2+>上昇を阻害した。この結果は、ヌクレオチド合成の促進効果とよく一致するものであり、Mg^<2+>濃度の変化が一つの修飾因子として作用し、PRPP合成酵素はじめMg^<2+>感受性酵素の活性変化を介して細胞のヌクレオチド合成を規定している可能性が直接示された。
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