1990 Fiscal Year Annual Research Report
EーFハンドと2incフィンガ-をもつ脂質リン酸化酵素,DGキナ-ゼの機能
Project/Area Number |
02454157
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加納 英雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 伸一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20213209)
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10183815)
山田 恵子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80045541)
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Keywords | ジアシルグリセロ-ル / ジアシルグリセロ-ルキナ-ゼ / カルシウム結合タンパク質 / 情報伝達 / ホスファチジン酸 / リン脂質合成 / リンパ球 |
Research Abstract |
1.平成2年度終了実績ー(1)80KDGキナ-ゼのもつEFハンドの機能(JBC印刷中)。精製酵素を用いて検討した結果、本酵素は高親和性の(Kd=0.3μM)カルシウム結合タンパク質であり、モルあたり2モルのカルシウムを結合することが分かった。カルシウム結合時に33残基からなる両親媒性αーhelixを介して膜リン脂質と結合し活性化される。(2)ヒトTリンパ球におけるDGキナ-ゼの機能(JBC投稿中)。これ迄プロテインキナ-ゼCの阻害剤として知られてきたスフィンゴシンが、Jurkat細胞のDGキナ-ゼを強力に活性化することを発見した。この細胞には最低4種類のDGキナ-ゼアイソザイムが存在するが、可能性の2種のアイソザイムがスフィンゴシンのタ-ゲットであることを示した。(3)これらの結果を和文総説4編、Methods in Enzymol.ほか著書4編に発表した(業績参照)。本年6月Gordon Research Conferenceで招待講演予定である。 2.検討中の課題ー(1)80KDGキナ-ゼcDNAの発現実験。大腸菌での発現タンパク質は大量に得られたが、不溶化のため研究に不適であることが分かった。そこでCosー7細胞でpMT2ベクタ-により発現させたところ活性酵素が得られた。現在この発現系をもちいて,それぞれ2カ所ずつある亜鉛フィンガ-とATP結合部位にアミノ酸置換を導入した変異型cDNAの発現実験中である。(2)80KDGキナ-ゼをコ-ドするヒト遺伝子のクロ-ニング。現在全長の約2/3のエキソンーイントロン構造を決定し、転写開始点をPrimer extensionとSー1ヌクレア-ゼアッセイで決定中である。(3)そのほかVaculovirusによる昆虫細胞での80KDGキナ-ゼの大量発現、DGキナ-ゼアイソザイムのクロ-ニングが進行中である。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 加納 英雄: "Diacylglycerol kinase:a key modulator of signal transduction?" Trends in Biochemical Sciences. 15. 47-50 (1990)
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[Publications] 坂根 郁夫: "Porcine diacylglycerol kinase sequence has zinc finger and EーF hand motifs" Nature. 344. 345-348 (1990)
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[Publications] 矢田 幸博: "Purification and characterization of cytosolic diacylglycerol Kinases of human platelets" Journal of Biological Chemistry. 265. 19237-19243 (1990)
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[Publications] 今泉 俊雄: "Nonーheparinーbinding endothelial cell growth factor from bovine omentum" Experimental Cell Research. 187. 292-298 (1990)
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[Publications] 坂根 郁夫: "Porcine 80 kDa diacylglycerol kinase is a calcium binding and calcium/phospholipid dependent enzyme and undergoes calcium dependdent translocation." Journal of Biological Chemistry. (1991)
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[Publications] 山田 恵子: "Effect of sphingosine on diacylglycerol kinase phosphorylating endogenous and exogenous diacylglycerols in human T lymphocytes" J.Biol.Chem.
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[Publications] 加納 英雄: "カルモデュリン様構造と亜鉛フィンガ-をもつジグリセリドキナ-ゼ" 蛋白質核酸酵素. 35. 1558-1563 (1990)
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[Publications] 加納 英雄: "DGキナ-ゼ" 実験医学. 8. 2043-2048 (1990)
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[Publications] 坂根 郁夫: "ジアルシルグリセロ-ルキナ-ゼの1次構造と機能調節" 蛋白質核酸酵素. 36. 290-298 (1991)
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[Publications] 加納 英雄: "ジグリセリドキナ-ゼーカルシウムセンサ-をもつ情報伝達制御因子" 代謝. (1991)
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[Publications] 加納 英雄(編集者E.A.Dennis & D.E.Vance): "Diacylglycerol kinase isozymes from brain and lymphoid tissues.(Methods in Enzymology)" Academic Press,Florida,U.S.A., (1991)
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[Publications] 山田 恵子: "ジアシルグリセロ-ルキナ-ゼ(新生化学実験講座)" 東京化学同人社, (1991)
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[Publications] 加納 英雄: "DGキナ-ゼ(ニュ-ロサイエンス講座)" 廣川書店, (1991)
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[Publications] 坂根 郁夫: "DGキナ-ゼ(生物薬科学実験講座)" 廣川書店, (1991)