1991 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフインとその関連タンパクの精製・同定とそれらの病態機能の研究
Project/Area Number |
02454160
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
小沢 〓二郎 国立精神神経センター, 神経研究所・機能研究部, 部長 (20014178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 謙介 国立精神神経センター, 神経研究所・機能研究部, 研究員 (50218567)
萩原 康子 国立精神神経センター, 神経研究所・機能研究部, 研究員 (00175530)
吉田 幹晴 国立精神神経センター, 神経研究所・機能研究部, 室長 (70111151)
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Keywords | ジストロフィン / ジストロフィン結合タンパク質 / 筋ジストロフィ- / タンパク質生化学 |
Research Abstract |
われわれは筋細胞膜の裏打ちタンパクであるジストロフィンの分子構造を明らかにするために、タンパク質分解酵素によるペプチドマップの分析を行った。すなわち兎精製ジストロフィンをカルパインで部分分解を行い電気泳動上31K、48K、94K、145K、100K、64K等のバンドを得た。これをブロットし、免疫染色を行ってそのフラグメントのジストロフィン分子上の位置を決めたところN端からC端について上記の順序で並んでいた。145Kフラグメントには二種類存在し、それぞれのN端のアミノ酸配列によりアミノ酸番号691と1993のところに切断点があることが分かった。1993番から145KだけC端側にも切断点があり、それよりもC端側の約300残基位はかなり切れ易く細いことは不明であった。これらの切断点は分子のヘリクス構造が割合ゆるい所かコイル構造をしていることが推定された。 これらの研究の間にジストロフィンを細胞膜に付着させている糖タンパク質複合体と結合する位置はジストロフィンのシスティンリッチドメインとC端ドメインの前半であることを証明した。この位置は臨床的にはその部分の欠失が重篤な症状を呈することが遺伝子解析の方から指摘されていた部分である。このことは筋ジストロフィ-の病態生理に深くかゝわっていると考えられる。 この点を更に明らかにするために、これらの複合体を形成するタンパク質を部分分解してそのフラグメントのアミノ酸配列を明らかにした。それにもとずいて現在米国ハ-バ-ド大kunkel教授と共同でクロ-ニング中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中 光,石黒 恒男,江口 新比古,斎藤 加代子,小沢 〓二郎: "Expression of a dystrophinーrelated protein associated with the skeletal muscle cell membrane" Histochemistry. 96. 1-5 (1991)
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[Publications] 小沢 〓二郎,吉田 幹晴,萩原 康子,田中 光,林 謙介,池谷 紀代子: "Formation of dystrophin lining on muscle cell membrane in myogenesis in vivo" Frontiers in muscle research. 305-319 (1991)
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[Publications] 田中 光,林 謙介,小沢 〓二郎: "Positive immunostaining with dystrophin antibodies in mdx skeletal muscle" Proceedings of the Japan Academy. 67. 148-152 (1991)
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[Publications] 池谷 紀代子,斎藤 加代子,林 謙介,田中 光,萩原 康子,吉田 幹晴,山内 朱美,福山 幸夫,石黒 恒男,江口 新比古,小沢 〓二郎: "Molecular genetic and immunohistochemical analysis of dystrophin of a young patient with Xーlinked muscular dystrophy" American Journal of Medical Genetics.
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[Publications] 鈴木 厚,吉田 幹晴,小沢 〓二郎: "Glycoproteinーbinding site of dystrophin is cofined to the cysteineーrich domain and the first half of the carboxyーterminal domain"
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[Publications] 吉田 幹晴,鈴木 厚,小沢 〓二郎: "Analysis of molecular structure of dystrophin"