1992 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィンとその関連タンパクの精製・同定とそれらの病態の研究
Project/Area Number |
02454160
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Research Institution | National Institute of Neuroscience |
Principal Investigator |
小沢 〓二郎 国立精神神経センター, 神経研究所・機能研究部 (20014178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀子 国立精神神経センター神経研究所, 機能研究部, 流動研究員
水野 裕司 国立精神神経センター神経研究所, 機能研究部, 流動研究員
鈴木 厚 国立精神神経センター神経研究所, 機能研究部, 併任研究員
萩原 康子 国立精神神経センター神経研究所, 機能研究部, 室長 (00175530)
吉田 幹晴 国立精神神経センター神経研究所, 機能研究部, 室長 (70111151)
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Keywords | ジストロフィン / ジストロフィン結合タンパク質 / 筋シストロフィー / タンパク質生化学 |
Research Abstract |
われわれは本年度中の次のような研究を行なった。 昨年度に引き続きジストロフィンのジストロフィン結合タンパク質複合体との結合部位の検討を行なった。生体より精製した複合体を、SDS電気泳動した後、PVDF膜にプロットした後、融合タンパク質として作成したジストロフィンの断片を作用させた。それによって複合体の個々の構成成分がジストロフィンのどの部分と結合するかを明らかにした。 その結果、糖タンパク質A3aはシスティンリッチドメインに結合するが、A2、A4は結合しないことが分かった。 システィンリッチドメインは、ジストロフィンのアイソフォームであるユートロフィンと80%ものホモロジーがあることが知られている。従ってA3がユートロフィンに結合する可能性が考えられる。 ドシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の免疫組織学検索を行なった。この際ジストロフィンは失われているが、ユートロフィンは正常と異なってはるかによく発現している。DMD時の複合体については、Campbellらによって殆ど消失すると報告されている。しかしわれわれの研究では、複合体は減少はしているが、かなり残っていた。このことは、複合体がユートロフィンと結合することによって残っている可能性を示している。われわれの所見は、Campbellらの所見と併せると、DMDの病態形成にはA2の減少が重要な役割を演じていること、ジストロフィンの矢失はユートロフィンによってある程度代行されることを示唆している。
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[Publications] 鈴木 厚,吉田 幹晴 山本 秀子,小沢 〓二郎: "Glycoprotein-binding site of dystrophin is confined to the cysteine-rich domain and the first half of the carboxy-terminal domain" FEBS letters. 308. 154-160 (1992)
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[Publications] 吉田 幹晴,鈴木 厚 清水 輝夫,小沢 〓二郎: "Proteinase-sensitive sites on isolated rabbit dystrophin" Journal of Biochemistry. 112. 433-439 (1992)
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[Publications] 増田 俊和,藤巻 昇 小沢 〓二郎,石川 春律: "Confocal laser microscopy of dystrophin localization in guinea pig skeletal muscle fibers" Journal of Cell Biology. 119. 543-548 (1992)
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[Publications] 水野 裕司,埜中 征哉 平井 俊策,小沢 〓二郎: "Reciprocal expression of dystrophin and dystrophin-related protein (DRP) in muscles of Duchenne muscular dystrophy patients female DMD-carriers and control subjects" Journal of the Neurological Sciences.