1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454173
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
荒木 恒治 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30084867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 貴子 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40183206)
西山 利正 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10192254)
高橋 優三 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (80094580)
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Keywords | 旋毛虫 / 免疫診断 / 抗原 / 食道腺 |
Research Abstract |
旋毛虫幼虫における抗原の局在部位が免疫組織化学的に明示された。旋毛虫症のヒトおよびラットに認識される抗原はクチクラ、皮下、食道腺果粒、ヘモリンフ、食道内腔物、中腸内腔物、腸腺果粒、生殖原基、側索細胞果粒に存在する。これ等の抗原に対する抗体の出現を感染実験ラットを用いて行なったところ、食道腺果粒に対するM抗体は感染後4週より、G抗体は6週より出現する。その他の抗原に対するM抗体は産生が弱いがおおむね感染2週の早期に出現する。G抗体は感染4週目より出現する。このように抗体の出現時期に差があるため前者をrapid responding群、後者をslow responding群と命名した。 次に抗原の特異性を検定するために、種々の蠕虫疾患患者の血清を用いて抗原の交差反応の存在を調べた。その結果食道腺果粒に存在する抗原が一番特異性が高く、これに交差反応を示すのは重症の鞭虫症患者の血清のみであった。一方、slow responding群の抗原は特異性を欠き、広い範囲の種の蠕虫と交差反応がみられた。故に免疫診断用抗原としては食道腺果粒が最適のものと結論された。 食道腺果粒抗原が筋肉幼虫の表面に付着している事が示された。すなわち筋肉幼虫表面に反応する抗体をアフィニィティクロマトグラフィ-の原理を応用して精製し筋肉幼虫切片と反応させたところ、食道腺果粒および食道内腔物に反応しているのが確認された。食道腺果粒は食道を通じて外界へ放出され虫体表面に付着したものと考えられる。このような事から、免疫診断に有用な食道腺果粒は、虫体を粉砕した後に超遠心分離するより、虫体の表面そのものを抗原として使用するのが最適と判断された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yuzo Takahashi,Takako Uno,Naoto Mizuno,Chiyokiti Tokuda,Kimitaka Shimazu and Tsuneji Araki: "An immunocytocytochemical analysis of a classーspecific antibody response against Trichinella spiralis in humans" Journal of Electron Microscope.
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[Publications] Naoto Mizuno,Yuzo Takahashi,Takako Uno,Hidekazu Suzuki,Tsuneji Araki: "FURTHER CHARACHTERIZATION OF THE EXCRETORY AND SECRETORY ANTIGENS OF TRICHINELLA SPIRALIS MUSCLE LARVAE" Japanese Journal of Parasitology.