1992 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内寄生菌による細胞性免疫誘導に共通して不可欠な因子の解析と感染防御への応用
Project/Area Number |
02454176
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
光山 正雄 新潟大学, 医学部, 教授 (10117260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 伊久雄 新潟大学, 医学部, 助手 (20214695)
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Keywords | 細胞内寄生菌 / 感染抵抗性 / サイトカイン / リステリア / 抗酸菌 / PCR |
Research Abstract |
最終年度にあたる本年度の研究において、以下のような成果が得られた。(1)リステリアの各菌株の生菌と死菌によるマクロファージからのモノカイン産生応答を、従来のバイオアッセイに代えてRT-PCR法によるmRNAの半定量によって比較した。ほぼバイオアッセイと同様にin vifroでの免疫誘導能およびヘモリシン産生能の高い株に、強いモノカイン産生誘導能が認められた。サルモネラやBCGの生菌と死菌においても、生菌刺戟によってのみ強いIL-1mRNAの発現が誘導された。以上は標識プローベを用いたノーザン法でも確認された。(2)マウスに同数の各菌株生菌を接種し、36時間後の脾臓からRNAを抽出して、各種サイトカインの発現をRT-PCRとノーザンでしらべると、特異的免疫防御が誘導されるマウスでは高いIL-1mRNAの発現を示す傾向がみられたが、in vitroとは異なる結果の株もあり、感染宿主個体内では菌株によって細胞の集合などに違いがあり、結果的にmRNA発現のカイネティクスが異なることによることが考えられた。また感染早期の脾臓におけるIL-2mRNA発現と最終的な免疫防御の誘導には、全く相関はみられなかった。(3)各菌株で免疫したマウス由来のCD4+細胞を受身移入して発現される免疫防御能は、特異抗原刺戟によるIFN- 産生能に依存し、他のサイトカイン産生能とは相関しないことがmRNAレベルでも確認された。(4)電気泳動分取法により分画した、リステリアおよびBCG抗原を用いて、IFN- 生産性T細胞の識別抗原を詳細に検討した結果、リステリアでは広範な抗原群、BCGのは20K以下で低分子抗原であった。回復期結刻患者リンパ球についてしらべたところ、概して免疫マウスと同様にIFN-産生は20K以下の抗原に対して強く、一方増徹能やIL-2産生は広範な抗原に対してみられた。 細胞内寄生菌による細胞性免疫誘導にはIL-1産生が不可欠な因子のひとつで、免疫防御発現にはIFN-γ産生能が不可欠であると結論できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Serushago,Basir: "Difference in the functional maturation of T cells against Listeria monocytogenes in lymph nodes and spleen." Immunology. 75. 238-244 (1992)
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[Publications] Tsukada,Hiroki: "Induction of macrophage interleukin-1 production by Listeria monocytogenes hemolysin." Cellular immunology. 140. 21-30 (1992)
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[Publications] Serushago,Basir: "Effect of recombinant human granuloscyte-colony stimulating factor on murine resistance against Listeria monocytogenes." Immunology. 75. 475-480 (1992)
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[Publications] Kawamura,Ikuo: "IFN-γ-producing ability as a possible marker for the protecti-ve T cells against Mycobacterium bovis BCG in mice." Journal of Immunology. 148. 2887-2893 (1992)
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[Publications] Fujio,hiroshi: "Investigation of the role of macrophage and endogenous interferon-g in natural resistance of mice against Legionella penumophila." FEMS Microbiology and Immunology. 89. 183-192 (1992)
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[Publications] Yoshikawa,Hiroko: "Membrane damage and interleukin-1 production in murine macropahges exposed to listerioylsin O." Infection and Immunity. 61. (1993)