1991 Fiscal Year Annual Research Report
アデノ・アソシエイテドウイルス(AAV)ベクタ-の開発
Project/Area Number |
02454181
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
半田 宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80107432)
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Keywords | アデノアソシエイテドウイルス / ウイルスベクタ- / 外穀タンパク質 / アデノウイルス / ヘルパ-ウイルス / 発現調節 / 転写調節因子 / アフィニティ-・レイテックス粒子 |
Research Abstract |
アデノ・アソシエイテドウイルス(AAV)は自己増殖能を欠損しており、ヒトに病原性がなく、多くのヒトがAAVに対する抗体を持っている。しかも、宿主域が広く、染色体に組み込まれる頻度が高いなどのウイルスベクタ-として好都合な利点を数多く持っている。AAVをべクタ-として開発するために、(1)AAV遺伝子の改変、(2)改変AAV粒子を作製するためのヘルパ-ウイルスの構築、(3)AAV遺伝子内に挿入した外来遺伝子発現の制御システムについて研究した。(1)に関しては、AAVの全遺伝子を組み込んだプラスミドを用いて、AAV外穀タンパク質をコ-ドした領域に外来遺伝子を挿入したいくつかの組換え体を作製した。SV40癌遺伝子をAAVP40をプロモ-タ-の下流に挿入した組換えDNAを作製し、それによりヒト胸腺支持細胞を不死化し、改変AAVを含む組換えDNAがベクタ-として機能することを示した。(2)に関しては、ヘルパ-ウイルスであるアデノウイルスのE1領域にAAV外穀タンパク質のコ-ド領域とその発現を制御するシグナルを含んだDNA断片を挿入した組換えアデノウイルスを作製した。次に、その組換えヘルパ-ウイルスと改変AAV遺伝子DNAとを293細胞に混合感染し、改変AAV粒子の産生を検討した。産生量は期待したよりも少なく、この原因はヘルパ-ウイルスからのAAV外穀タンパク質の発現量の少なさによることがわかった。(3)に関しては、アフィニティ-・レイテックス粒子を開発し、DNA結合性転写調節因子を細胞粗抽出液から直接に精製するシステムを確立した。この粒子を用いて、ATF/E4TF3などの転写因子ファミリ-の個々のメンバ-やE4TF1などの複合体を形成する転写因子の個々のサブユニットの機能解析が可能となり、新規転写因子を同定することが出来た。本研究はAAVウイルスベクタ-開発の基礎を築き、今後の研究の発展に貢献するものと思われる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tadashi Wada: "Different biological activities of the heteroーand homodimers formed by the 47kd and 43kd proteins of transcription factor ATF/E4TF3" J.Virol.65. 557-564 (1991)
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[Publications] Mizuko Mizutani: "Negative supercoiling of DNA facilitates an interaction between transcription factor IID and the fibroin gene promoter" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 88. 718-722 (1991)
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[Publications] Shin Aizawa: "Establishment of a variety of human bone marrow stromal cell lines by the recombinant SV40ーadenovirus vector" J.Cell.Physiol.148. 245-251 (1991)
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[Publications] Yoshihiro Usuda: "Affinityーpurification of transcription factor IIA from HeLa cell nuclear extracts" EMBO J.10. 2305-2310 (1991)
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[Publications] Sadaki Inokuchi: "Immortalization of human epidermal keratinocytes by the recombinant SV40ーadenovirus vector" In Vitro Cell.Dev.Biol.27. 827-828 (1991)
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[Publications] Toshifumi Hibi: "Establishment of epithelial lines from human and mouse thymus immortalized by the 12S adenoviral ElA gene product" Thymus. 18. 155-167 (1991)
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[Publications] 青山 友三他: "ウイルス感染症の臨床と病理" 医学書院, 247 (1991)