1990 Fiscal Year Annual Research Report
Gene Targeting法によるT細胞シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
02454185
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 隆 千葉大学, 医学部, 教授 (50205655)
|
Keywords | シグナル伝達機構 / T細胞レセプタ-複合体 / CD3ζーη / fyn / 相同組換え / Gene Targeting / 変異株の樹立 |
Research Abstract |
T細胞のシグナル伝達に重要なCD3ζ,ηおよびfynゲノム遺伝子の単離および<in>___ー <vitro>___ー Targeting法によるシグナル変異株の作製を試みた。 (1)CD3ζ,ηゲノム遺伝子の単離とTargeting constructの作製:CD3η鎖遺伝子の解析に成功した。ζとηは最後のエキソンのみが異なり4kb下流にあり他は同一であり、異るスプライシングで産生される。この調節がT細胞機能に重要である。ζおよびη鎖特異的なエキソンを含むゲノム遺伝子を分離し、各エキソンにneo耐性遺伝子を、また遺伝子の端にHSVーtk遺伝子を接続させたポジティブ・ネガティブ選択のできるTargeting Constrcutを作製した。<in>___ー <vitro>___ーで両染色体に働かすためにneo^rと共にhygromycin^r遺伝子を押入したものも同時に作製した。 (2)T細胞への<in>___ー <vntro>___ー Targetingの試み:fynのゲノム遺伝子のエキソンにneo^r遺伝子を導入し、ポジティブ選択用にジフテリア毒素を接続したベクダ-を用いてT細胞にエレクトロポレ-ション法により遺伝子導入した。ES細胞では、G418耐性細胞が10^-の頻度で出現したこの方法でも、T細胞では10^<-7>の頻度であり、約十のクロ-ンが得られたが、相同組換えを起こしているものはなかった。既ち、<in>___ー <vitro>___ーでT細胞では、ES細胞に比べて相同組換えが起り難い事が判明し、細胞や条件を変えて頻度を上げると共に、HSVーtkに戻ったベクタ-を用いてネガティブとポジティブ選択の程度を独立に調べる必要がある。 (3)遺伝学的手法による変異株の作製:EMSで突然変異を誘導した後に変異株を取る方法により、CD37鎖を発現しない変異株、および抗原刺激に伴う細胞内Ca^<2+>上昇のない変異株の樹立に成功した。従来の方法でこれらの変異株は得られたが、fyn発現のない変異株は数多くスクリ-ニングしても得られず、細胞表面発現のない分子の変異株の単離には、Targetingのアプロ-チしかないことを示した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Ohno,H.,Saito,T.: "CD3 and chains are produced by alternative splicing from a common gene." Int.Immunol.2. 1117-1119 (1990)
-
[Publications] Saito,T.,Fowlkes,B.,Pardoll,D.,Ohno,H.: "A murine thymocyte clone expressing T cell receptor mediates NKーlike cytolytic function and THlーlike lymphokine production." Cell.Immunol.131. 284-302 (1990)
-
[Publications] Ohno,H.,Ushiyama,C.,Taniguchi,M.,Germain,R.N.,Saito,T.: "CD2 can induce TCR/CD3 independent T cell activation." J.Immunol.(1991)
-
[Publications] Kuida,K.,FurutaniーSeiki,M.,Saito,T.,Kishimoto,H.,Sano,K.,Tada,T.: "Postーtranslational attainment of allelic exclusion of T cell receptor chain in a T cell clone." Int.Immunol.3. 75-82 (1991)
-
[Publications] Ohno,H.,Nakamura,T.,Yagita,H.,Okumura,K.,Taniguchi,M.,Saito,T.: "Induction of negative signal through CD2 during antigenーspecific T cell activation." J.Immunol.