1990 Fiscal Year Annual Research Report
クラスII MHC拘束性Bリンパ球の生成及び活性化機構とその機能
Project/Area Number |
02454189
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜岡 利之 大阪大学, 医学部, 教授 (60028529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 史郎 大阪大学, 医学部, 講師 (80127208)
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Keywords | BーB細胞間相互作用 / B細胞活性化 / IーA分子 / IーE分子 / Ia拘束性 / cAMP / 架橋 / X線照射骨髄キメラ |
Research Abstract |
1.Polyclonal B cell activator(PBA)によるマウス休止B細胞のIgM産生細胞への分化誘導過程で認められるIa拘束性BーB細胞間相互作用に於いて、IーAのみならずIーE分子も拘束分子として機能するか否かを検討した。1)(B10×B10.BR)F1(Hー2^<b/k>)マウスB細胞はIーA^k或いはIーA^bを発現するB細胞やMφ株及びIーA遺伝子を導入した繊維芽細胞monolayerに対する結合能により、各々の親IーA分子に対して拘束性を示す少なくとも二つの亜集団に分画されるが、IーE^k陽性細胞monolayerを用いたのではIーE拘束性を示す亜集団には分画されなかった。2)X線照射した(B10×B10.BR)F1マウスにB10(Hー2^b)とB10.BR(Hー2^k)マウスからの骨髄細胞を移入して作成した(B10+B10.BR)→F1混合骨髄キメラのB10或いはB10.BR由来B細胞は、成熟過程で遭遇するアロIーA分子に対する拘束特異性を新たに獲得する事が示された。1)及び2)の結果より、IーA分子はBーB細胞間相互作用の拘束分子として機能するがIーE分子はその様な活性を示さない事が明かとなった。また、興味ある事にIーA陽性Mφ株やIーA遺伝子を導入した繊維芽細胞には上述のキメラのB10由来B細胞を活性化する能力は検出されなかった事より、IーA拘束性BーB細胞間相互作用に於いてB細胞ユニ-クな情報伝達が重要な役割を果たしている事も示された。 2.IーE分子は拘束分子として機能しないにも拘らずPBA応答は抗ーIーE抗体で抑制されるので、抗ーIーE抗体はIーE分子を介してB細胞に何らかの抑制性の情報を伝達している可能性が考えられる。実際、抗ーIーE分子の架橋を介してアデニレ-トシクラ-ゼを活性化しB細胞内のcAMPレベルを上昇させる事によりPBA応答を阻害するのに対して、抗ーIーA抗体によるPBA応答の抑制はIーA分子の架橋を必要とせず、かつcAMPの上昇を伴う事なくIーA拘束性BーB細胞間相互作用を阻害する事によりもたらされる事が明かとなった。
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[Publications] Y.Takahama: "BーB cell interaction involved in polyclonal B cell activation is vestricted by IーA but not by IーE molecules." International Immunology. 2. 63-71 (1990)
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[Publications] K.Miyake: "Monoclonal antibodies to Pgpー1/CD44 block lymphopoiesis in longーterm bone marrow cultures" J.Exp.Med.171. 477-488 (1990)
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[Publications] T.Yoshimoto: "ILー5 upーregulates but ILー4 downーregulates ILー2R expression on a cloned B lymphoma line" J.Immunol.144. 183-190 (1990)
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[Publications] K.Nakanishi: "Lymphokineーregulated differential expression of mRNA for p75KD_2ーILー2R and p55KD_2 ILー2R in a cloned B lymphoma line" J.Immunol.145. 1423-1429 (1990)