1990 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系細胞の機能発現及び分化に関与する細胞関接着分子の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
02454195
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
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Keywords | 細胞間接着分子 / T細胞分化 / T細胞活性化 / CD_2 / CD11a / 18 / CD54 / インテグリン / 細胞外マトリクス受容体 |
Research Abstract |
(1)マウス胎仔胸腺内でのT細胞分化過程においては、CD4、CD8はそれぞれ、CD4^+8^+からCD4^+8^-、CD4^-8^+に成熟する過程で、CD11a/18とCD54の結合はこの両者の過程に必須な役割を果たすのに対し、CD2とCD58の結合はこれらの過程に関与しないことが示された。(2)抗原特異的なT細胞の反応においては、CD2とCD58の結合は抗原量が生理的に低い場合にのみ寄与するのに対し、CD11a/18とCD54の結合は抗原量に関わらず中心的に働くことが示された。(3)NK、LAKによる非特異的な反応においても、CD11a/18の中心的な役割が示されるとともに、CD2、CD11a/18非依存性の細胞間相互作用経路の存在が明らかになった。(4)CD2陰性のヘルパ-T細胞株にCD2を遺伝子移入により発現させると抗原特異的な反応性が増強されるが、この時、細胞質内部を欠失し変異CD2ではこの増強が大幅に減弱することから、抗原特異的なT細胞反応性の増強におけるCD2を介したシグナル伝達の重要性が示された。(5)CD2陰性のNK細胞株にCD2を遺伝子移入により発現させると特定の標的細胞に対する細胞障害性が増強されるが、この時、細胞質内部を欠失した方異CD2ではこの増強が減弱することから、NK細胞の活性化におけるCD2を介したシグナルの重要性が示された。(6)抗CD2抗体を一度だけマウスの尾静脈から投与することにより、長期間にわたって抗原特異的なT細胞反応が抑制されることから、生体内での抗原特異的なT細胞反応の誘起過程におけるCD2を介した接着あるいはシグナル伝達の重要性が示された。(7)CD2、CD11a/18非依存性のLAKによる標的細胞障害を抑制するいくつかの単クロ-ン抗体を作製した結果、その中の1つはCD45と反応することが、また他の1つは、フィブロネクチンやビトロネクチン等の細胞外マトリクスに対する受容体であるVLA様のインテグリン分子と反応することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Shirai: "The expanded populations of CD4^-CD8^- T cell receptor α/β^+ T cell associated with the lpr and gld mutations are CD2^-" J.immunol.144. 3756-3761 (1990)
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[Publications] T.Nakamura: "Relative contribution of CD2 and LFAー1 to murine T and NK cell functions." J.immunol.145. 3628-3634 (1990)
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[Publications] K.Takahashi: "A murine very late activation antigenーlike extracellular matrix receptor involved in CD2^- and lymphocyte functionーassociated antigenー1ーindependent killerーtarget cell interaction." J.immunol.145. 4371-4379 (1990)
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[Publications] T.Nishimura: "Thymic stromal cell clone with nursing activity supports the growth and differentiation of murine CD4^+8^+ thymocytes in vitro." J.immunol.145. 4012-4017 (1990)
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[Publications] T.Nakamura: "Activation of a NK clone upon target cell binding via CD2." Eur.J.Immunol.(1991)
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[Publications] T.Shiohara: "Evidence for involvement of lymphocyte tunctionーassociated antigen 1 in T cell migration to epidermis." J.Immunol.(1991)