1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454196
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
竹森 利忠 国立予防衛生研究所, 細胞免疫, 部長 (60114295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳久 剛史 神戸大学, 国際交流センター, 教授 (20134364)
水口 純一郎 国立予防衛生研究所, 体液性免疫, 室長 (20150188)
重本 和宏 国立予防衛生研究所, 細胞免疫, 研究官 (00192104)
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Keywords | 幼若B細胞特異的遺伝子 / B細胞成熟 / シグナル伝達 / μ鎖複合体 / 前B細胞 / virgin B細胞 |
Research Abstract |
我々が幼若B細胞株より単離した8HSー20は、その全塩基配列の解析により、既知のB特異的遺伝子(λ5,VpreB,B29,mbー1)とは異なる新しい遺伝子であることが明かとなった。この遺伝子は前B細胞、virginB細胞で強く発現されるが、成熟B細胞では殆ど発現されない。8HSー20は幼若B細胞に産生されるμ鎖の一部と結合する分子量14および糖鎖結合の結果生じた16kの蛋白質分子をコ-ドし、2次元電気泳動を用いた解析では、遺伝子産物はP14.1ー4.2の位置に泳動されるが、同時にP14.7ー4.8、分子量11および15kの未知の蛋白分子が共沈されることが明かとなった。8HSー20遺伝子の成熟段階特異的発現の意義、およびその機能を解析するための一つの手段として、自身の発現調節領域を除去した8HSー20遺伝子を発現ベクタ-PUC/IgーEに組み込み、これを用いてトランスジェニックマウスを作製し、外来性の8HSー20を発現する2系統のマウスを確立した。予備実験であるが、トランスジェニックマウスでは、B細胞産生が誘導抑制されることが示唆された。一方、8HSー20を発現しない成熟B細胞株へ遺伝子導入を行ったところ、予備実験で、μ鎖を介したシグナル伝達が抑制される可能性を示唆する結果を得た。現在両系を用い、得られた現象を詳細に解析中である。 一方、幼若B細胞μ鎖複合体あるいは細胞成熟のシグナルやホ-ミングに対応する未知のレセプタ-に対する抗体を作製する目的で、幼若前B細胞株をラットに免疫し、μ陽性前B細胞株、virgin B細胞株に反応するが、成熟B細胞株に反応しないモノクロナ-ル抗体520ー113,208ー16を確立した。520ー113は208ー16と異なりμ鎖陰性の前B細胞株も染色する。これらの抗体は骨髄細胞中のμ鎖弱陽性から陰性に属する約5%の細胞集団を染色するが、脾臓細胞を染色しない。その染色パタ-ンからこれらの抗体は既知の幼若、成熟B細胞特異的抗体とは異なることが示唆された。現在これらの抗体が認識する細胞表面抗原の性状を検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Takemori,J.Mizuguchi,I.Miyazoe,M.Nakanishi,K.Shigemoto,H.Kimoto,T.Shirasawa,N.Marayama,M.Taniguchi: "Two types of μ chain complexes are expressed during differentiation from pre B to mature B cells." EMBO Journal. 9. 2493-2500 (1990)
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[Publications] T.Shirasawa,I.Miyazoe,H.Kimoto,S.Hagiwara,K.Shigemoto,M.Taniguchi,T.Takemori: "Mu chain diversity generated by Vgene replacement is highly limited in the progenies differentiated from a common precursor cell transformed with a ts mutant of AーMuLV" Proc.Natl.Acad.Sci. (1991)
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[Publications] S.Usuda,T.Takemori,M.Matsuoka,T.Shirasawa,K.Yoshida,A.Mori,K.Ishizaka,H.Sakano: "Circular DNA generated by immunoglobulin Vgene replacemeut:recombination between the heptamerーnonamer motif and a trinucleotide GTG." Cell. (1991)
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[Publications] T.Shirasawa,K.Ohnishi,S.Hagiwara,K.Shegemoto,Y.Takebe,M.Matsura,M.Taniguchi,K.Rajewsky,T.Takemori: "A novel gene product associated with μ chains in immature B cells." (1991)
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[Publications] Y.TsunetsuguーYokota,T.Minekawa,K.Shigemoto,T.Shirasawa,T.Takemori: "Cloning of a new subgroup of human immunoglobulin lambda light chain cDNA" (1991)