1990 Fiscal Year Annual Research Report
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02454207
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田中 勇武 産業医科大学, 医学部, 教授 (00038035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保利 一 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70140902)
東 敏昭 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10119000)
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Keywords | 人造鉱物繊維 / ガラス繊維粒子 / 肺内沈着量 |
Research Abstract |
石綿の代替品として用いられている繊維状粒子物質(MMMF)のうち、ガラス繊維粒子について調べた。 まず、東洋濾紙製ガラス繊維濾紙GB100Rを超遠心粉砕機によって粉砕し、実験に用いる試料を作成した。この試料について連続式流動層を用いて発塵条件を設定した後、チャンバ-内の繊維濃度と粒度分布を測定した。アンダ-センサンプラ-を用いて測定したチャンバ-内の粒度分布は、空気力学的直径2.6μmであり、吸入性粒子であった。 ウィスタ-系雄性ラット40匹に対し、曝露濃度10.8±3.3mg/m^3で1カ月間吸入曝露を行い、曝露1日、1週間、2週間、3週間、4週間目、曝露後1週間目に解剖した。同時に同数のコントロ-ル群を用意し、各時期に解剖した。また現在はクリアランス6カ月、1年の結果を検討するために実験を継続している。 肺内に沈着したガラス繊維量の測定は、臓器を一昼夜凍結乾燥し、更に一昼夜低温灰化した後、白金るつぼ内でNa_2CO_3とともに1時間溶融し、pH調整した溶液をサンプルとしてモリブデンブル-吸光光度法を用いて行った。 曝露中に解剖したラットの肺中ではガラス繊維が沈着し、1日目27μg、1週間目53μg、2週間目157μg、3週間目255μg、4週間目304μg、曝露終了後1週間目360μgであった。これから曝露直後のガラス繊維の肺内沈着は、4.5±0.8%であった。 また肺内に沈着している繊維数、形状の変化を観察するために肺の一部を1日凍結乾燥させたものをH_2SO_4,HNO_3とH_2O_2の混合液中で10分間マイクロダイジェスト湿式灰化装置にかけ、25mmφ、0.3μmポアサイズのメンブランフィルタ-でろ過したものを走査電顕で観察し、WHO(1985)に準拠して計測をおこなっている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 東 敏昭、田中 勇武、馬場 快彦、諸橋 久雄: "気中浮遊粒子の簡易視認装置"ダストインスペクタ-"の開発とその応用" エアロゾル研究. 5. 52-55 (1990)
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[Publications] 田中 勇武、伊規須 英輝、石松 維世、首藤 貴子: "粉体の健康影響" 粉体と工業. 22. 42-49 (1990)
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[Publications] Isamu TANAKA and Takashi AKIYAMA: "Proc.Int.Sympo.on Pneumoconioses" S.W.Albers Verlag (Germany), 419 (1990)
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[Publications] Isamu TANAKA and Takashi AKIYAMA: "AerosolーSci.,Ind.,Health and Environment" Pergamon Press (USA), 1348 (1990)