1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454208
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近藤 喜代太郎 北海道大学, 医学部, 教授 (80018366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 達明 愛全病院, 検査部長
志渡 晃一 北海道大学, 医学部, 助手 (20206098)
新野 峰久 北海道大学, 医学部, 助手 (80180561)
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Keywords | 血管性痴呆 / 2次予防 / 介入疫学 / 危険要因 |
Research Abstract |
[目的] 軽度の血管性痴呆を検出し、多重的に介入して重症化を阻止できるかどうかを評価する。 [材料と方法] 札幌市内の特別許可老人病院の外来でCT、SPECT、脳波などで確認されたビンスワンガー病または多発梗塞性痴呆患者、70〜79歳を100名程度選択し、1)発症の要因を明かにし、2)SPECTなど、検査の痴呆予知力を評価し、3)投薬に加え高次機能に対するリハビリテーション(脳活性化訓練)を行なった。 その記録に基づいて種々の要因が知的機能の尺度などのパラメータにどのように影響するかを評価した。これまでの80回程度で記録ができ、患者本人の通院を得て、介入を行ないつつある。その資料は一定様式で入力した。 [結果と考察] 3)は長期的課題でまだ結論を得ていない。血管性痴呆とアルツハイマー病各60例を各2名の対照例と比較し、135項目を摂取しその危険要因を分析した。アルツハイマー病では(1)精神社会的不活発、(2)体動不活発、(3)頭部外傷、(4)歯牙喪失、(5)字症と相関した。血管性痴呆(1)-(3)は共存し、ほかに高血圧、検診不受診と相関した。(1)-(3)は痴呆化の非特異的要因と考えられた。 CT上、かるい例 萎縮をもつ老年者の知的スケール(MMSなど)はSPECT上の血管低下と相関し、かるい知的低下の予後判定にSPECTが有用であった。 痴呆予防は21世紀最大の保健問題であり、1次予防、地域における精神保健に加え、病院における2次予防(早期発見・早期治療)の枠組みを作らなければならない。本研究は後者に対応するものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 近藤 喜代太郎: "アルツハイマー型痴呆の予防はどこまで可能か." 日本医師会雑誌. 107. 380-384 (1992)
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[Publications] 近藤 喜代太郎: "アルツハイマー病の危険要因." カレント セラピー. 10. 145-149 (1992)
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[Publications] 近藤 喜代太郎: "老年期痴呆のリスクファクター;ライフスタイルからの研究." 総合臨牀. 41. 3065-3066 (1992)