1990 Fiscal Year Annual Research Report
新しい自己抗体,抗ILー1α抗体の定量的測定法の確立と臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
02454218
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柏木 平八郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60015972)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤間 高雄 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60212411)
鈴木 博史 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00179243)
|
Keywords | インタ-ロイキン1(ILー1) / 慢性関節リウマチ / 抗サイトカイン自己抗体 / 抗ILー1α自己抗体 |
Research Abstract |
抗ILー1α自己抗体の定量的測定法を開発して、リウマチ性疾患の多数の症例で測定した。我々が開発した方法は、proteinAセファロ-スに一定量の血清IgGを結合させ、 ^<125>IーILー1αと反応させることによって抗体と結合したILー1αの量をガンマカウンタ-によって測定した。その結果、正常人では抗ILー1α自己抗体陽性血清の頻度は約5%であるのに対し、慢性関節リウマチ疾者では約15%と3倍の陽性頻度を示した。全身性エリテマト-デス患者や強皮症患者では、ほぼ正常人と同程度の陽性頻度であった。リウマチ性滑膜炎と抗ILー1α自己抗体の出現の関係を明らかにするため、数人の患者について、2ー3年にわたって血清の抗ILー1α抗体の抗体価と疾患活動性との関係を調べた。その結果、大部分の症例では抗ILー1α抗体価は滑膜炎の程度と相関した。この結果は、リウマチ性滑膜炎において出現するILー1αが、抗原として作用し、抗体産生を誘導したことを示唆する。しかし、正常人でも5%とかなり高い頻度でこの自己抗体が出現することから、最初の抗原刺激がILーαそのものであるかどうかは、はっきりしない。そこで、この自己抗体が認識するILー1α分子上のエピト-プを、βガラクトシダ-ゼとILー1αの融合蛋白を大腸菌に作成させ、抗体との反応性を検討することにより決定することを試みた。しかし、融合蛋白の精製の過程でILー1α部分を含む蛋白の変性がおこってしまうこと、それにより、変性ILー1αが非特異的にFc部分を介してIgGに結合してしまうことがわかり、この方法ではエピト-プの決定ができないことが判明した。そこで、現在、ILー1αの色々な部分の合成ペプチドを作成し、これらと抗ILー1αとの反応性を調べることによりエピト-プの決定を試みている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hiroshi Suzuki: "Demonstration of neutralizing autoantibodies against ILー1α in sera from patients with rheumatoid arthritis" Journal of Immunology. 145. 2140-2146 (1990)
-
[Publications] Hiroshi Suzuki: "Antiーinterleukin 1α autoantibodies in rheumatic diseases and in normal subjects" Clinical Experimental Immunology.
-
[Publications] Hiroyuki Takemura: "Increased freguency of antiーILー6 autoantibodies in systemic sclerosis" Arthritis and Rheumatism.
-
[Publications] 鈴木 博史: "リウマチ性疾患と抗インタ-ロイキン1自己抗体" リウマチ科. 3. 199-204 (1990)
-
[Publications] 鈴木 博史: "尿中における可溶性サイトカインレセプタ-の排泄" 臨床免疫. 22. 1214-1218 (1990)
-
[Publications] Hiroshi Suzuki: "Molecular Biology of cytokine effects on vascular endothelial cells.International Review of Experimental Pathology vol.32" Academic Press, (1981)