1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454221
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
粕川 禮司 福島県立医科大学, 第二内科, 教授 (80045632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 孝 福島県立医科大学, 第二内科, 副手
宮田 昌之 福島県立医科大学, 第二内科, 助手
西間木 友衛 福島県立医科大学, 第二内科, 助教授
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Keywords | 血管内皮細胞 / 内皮付着細胞 / モノクロタリン肺高血圧症 / CD_8^+11b^+細胞 / 肥満細胞 / Brd U / 右室肥大 / シクロホスファミド |
Research Abstract |
1.ヒト臍帯から分離培養した血管内皮細胞(EC)1×10^6個に血管病変を有する全身性エリテマト-デス患者5例の末梢血単核球(MNC)を5×10^6加え、24時間混合培養し、EC付着MNCをトリプシン処理分離し、その数の測定と、モノクロ-ナル抗体によるサブセットの同定を行った。EC付着MNCは健常人7例の平均22.4%でありSLE5例の平均は10.8%と低く、付着MNCの表面マ-カ-では、CD_8^+11b^+(サプレッサ-/インデュ-サ-)細胞、CD_<16>(IgGFCレセプタ-陽性細胞)およびCD57(NK細胞)細胞の付着がSLE患者で多い傾向が認められた。 2.無胸腺ヌ-ドラット(F^<344>/ _NJClーrun)とその親の有胸腺ラット(F^<344>/_N)にモノクロタリンを60mg11cgで皮下注射し、28日後に屠殺して右室(RV)/左室(LV)+中隔(S)の重量比をみると、RV/LV+S比は無胸腺ラットで7匹平均0.52±0.076、有胸腺ラット平均0.45±0.09と無胸腺ラットで右室肥大が認められた。肺組織をトルイジンブル-染色して肥満細胞数を算えると、無胸腺ラットで有胸腺ラットに比し肥満細胞の有意な増加が認められた。さらに、5ーbromodeoxyuridine(Brd U)と抗Brd U抗体を用いて、肺組織における核酸代謝の状態をみると、14日目から無胸腺ラットでBrd U細胞の有意な増加が認められた。この成績からモノクロタリン誘発肺高血圧ラットの肺高血圧症の発症にBrd U陽性細胞が重要な役割を果たしていると考えられた。さらに、このモノクロタリンラットにシクロホスファミドを500mg/m^2/w静注すると、右室肥大の抑制が認められた。以上の成績から、モノクロタリン誘発ラット肺高血圧症の発症には肥満細胞の増加と、肺内細胞の核酸代謝の亢進が関与していると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 粕川 禮司: "免疫複合体病の理解" リウマチ科. 4(3). 247-252 (1990)
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[Publications] 粕川 禮司: "新しい自己抗体とその臨床的意義" 病理と臨床. 8(11). 1385-1388 (1990)
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[Publications] 粕川 禮司: "膠原病内科領域における自己免疫疾患" TOKYO TANABE QUARTERLY. 38. 38-46 (1990)
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[Publications] 粕川 禮司: "膠原病の診断ー診断基準の適用と問題点ー" Medicina.45(12). 2215-2218 (1990)
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[Publications] 粕川 禮司: "膠原病の予後の変遷と死因" 日本医師会雑誌. 104(3). 426-428 (1990)
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[Publications] 粕川 禮司: "膠原病診断基準一覧ー使い方の注意点ー" Pham Media. 8(6). 27-31 (1990)