1990 Fiscal Year Annual Research Report
胃粘膜細胞の傷害と保護の機序に関する研究ーアラキドン酸カスケ-ドの役割ー
Project/Area Number |
02454236
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小林 絢三 大阪市立大学, 医学部, 教授 (70046928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 肇 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60164323)
荒川 哲男 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60145779)
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Keywords | 胃粘膜細胞 / エタノ-ル / 超微形態学 / プロスタグラシジン / ロイコトリエン / カルシウム / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ラット胃粘膜細胞の単層培養系では、12%以上のエタノ-ル暴露により、細胞の機能的障害と、さらに、細胞膜の破壊を示すと思われる ^<51>Crの細胞からの逸脱が認められた。電子顕微鏡による超微形態学的な観察では、エタノ-ルによる細胞傷害の初期変化として、細胞膜のmicroeyosionとミトコンドリアの膨化が見られた。これらのエタノ-ルによる細胞の機能的障害および形態学的傷害は、16,16ーdimethyl prostaglandin(PG)E_2であらかじめ細胞を前処置しておくことにより阻止され、逆にlenkoーtriene(LT)C_4で前処置しておくと増強された。3%エタノ-ルで胃粘膜細胞を処置すると、細胞でのPG産生が刺激され、高濃度エタノ-ルによる細胞傷害が阻止された。また、この現象はインドメタシンでPG産生を抑制しておくと消失することが確認できた。カルシウムイオノフォアで胃粘膜細胞を処置すると、細胞でのLT産生が刺激され、高濃度エタノ-ルによる細胞傷害が増強した。この現象は5ーlipoxygenace阻害剤でLTの産生を抑制しておくと消失した。 免疫組織化学的検討では、細胞内にPGE_2の局在が認められた。免疫電顕では、その局在はミトコンドリア周囲のリボゾ-ムに集中しておりリボゾ-ムで産生されたものであることが想定された。
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[Publications] Tetsuo Arakawa: "Early ultrastructural changes of surface epithelial cells isolated from rat gastric mucosa after exposure to ethanol with or without 16,16ーdimithyl prostuglander E_2" Journal of clinical gastroenterology.
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[Publications] KAZUHIDE HIGUCHI: "Immrohistochemical localization of cells that produce lenkotriene B_4 in lmman gastric mucosa" Clinical Journal of gastroenterology.
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[Publications] 樋口 和秀: "胃粘膜におけるプロスタノイド産生細胞に関する免疫組織化学的検討" 大阪市医学会雑誌. 38. 691-707 (1990)