1991 Fiscal Year Annual Research Report
肉芽腫性肺疾患の病変形成におけるコロニ-刺激因子の役割に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
02454238
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 悦郎 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (10201831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛巻 のぼる 地海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
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Keywords | 顆粒球マクロファ-ジコロニ-刺激因子 / インタ-ロイキン3 / マクロファ-ジコロニ-刺激因子 / 逆転写ポルメア-ゼチェインリアクション / サルコイド-シス / 気管支肺胞洗浄 |
Research Abstract |
本年度はサルコイド-シス患者の気管支肺胞洗浄細胞のGMーCSFmRNA発現と臨床経過の関連について特に検討を加えた。GMーCSFmRNAの発現を測定した時点より、過去一年前に逆上って臨床経過を検討することができた16例では、発現群では胸部X線写真に所見がありそれが不変であったか、ないし悪化した例は11人であり、逆に改善した例はひとりに過ぎなかった。一方非発現群では悪化した例はなく、改善したかあるいは無所見のまま落ち着いていた例が5人であった。これらの結果は有意にGMーCSFmRNA発現群での経過の悪さを証明しており、昨年度の研究で明らかにされた臨床的活動度の高いことと符合する結果であった。 一方これらの結果はretrospectiveな検討結果であり、真の臨床的有用性はprospectiveに、GMーCSFmRNAの発現から、予後をうかがうことができるか否かにあると言える。そこでGMーCSFmRNAを測定後、1年間経過を追跡できた19人について、その後1年間の臨床経過を検討すると、やはり発現患者では有意に遷延例が多く、retrospectiveな検討と同様な結果を得た。 また本研究ではGMーCSFmRNA発現細胞の帰属を決定することも大きな目的のひとつであり、本年度も方法を変更してin situ hybridizationを試みたが、はっきりした結果を得ることができなかった。今後の検討に期待をつなぎたいと考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山口 悦郎,川上 義和: "BALで何がわかるか、病態生理学的意義ーDNAのレベルからー" 気管支学. 14. (1992)
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[Publications] 伊藤 昭英,山口 悦郎,古家 乾,桧沢 伸之,阿部 庄作,川上 義和: "サルコイド-シス患者BAL細胞によるGMーCSFmRNA発現とその臨床的意義" サルコイド-シス学会雑誌. 10. 93-94 (1991)
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[Publications] 山口 悦郎,川上 義和(分担): "Annual Revies.呼吸器 1992" 中外医学社, 218(14) (1992)