1990 Fiscal Year Annual Research Report
気道収縮と気道上皮由来の化学伝達物質との関係についての研究
Project/Area Number |
02454240
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 鎮雄 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (90009481)
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Keywords | エンドセリン(ET)ー1 / モルモット / 経気道的投与 / 気道収縮 / エンケファリナ-ゼによる分解 / アナフィラキシ-反応後 / 気道平滑筋弛緩 / リポキシゲ-ゼ系アラキドン酸代謝産物 |
Research Abstract |
高い気道収縮活性を有するエンドセリン(ET)ー1の生体における生理作用を明らかにする目的で、ラット肺におけるETー1の含量と局在、モルモットでの経気道的ETー1投与による気道収縮、及びアナフィラキシ-とETー1の作用との関係について検討を行なった。 その結果、(1)ETー1は肺内に多量存在し、気道系においては主に気道上皮に局在していた。(2)経気道的投与によるETー1は、気道上皮のエンケファリナ-ゼにより分解され、エンケファリナ-ゼ阻害剤の存在下ではETー1による気道収縮は増強された。(3)アナフィラキシ-反応後では、ETー1は気道平滑筋を弛緩させ、その反応にはリポキシゲ-ゼ系アラキドン酸代謝産物が関与していると考えられた。 以上により気道系においては、ETー1は気道上皮細胞より遊離されるものと考えられた。気道上皮と気道平滑筋とは隣接組織であり、気道平滑筋にはETー1結合部位が多数存在することにより、気道上皮より遊離されたETー1は気道平滑筋に作用している可能性が高いと考えられた。また、気道系にはエンケファナ-ゼが存在し、種々のペプチドの分解に関与していることが知られているが、同酵素を阻害するとETー1による気道収縮が増強することにより、ETー1の作用がエンケファリナ-ゼにより調節されていると考えられた。一方アナフィラキシ-反応後では、ETー1は他の抑制性化学伝達物質を遊離し、気道平滑筋を弛緩させることを示された。今回の研究によりETー1の複雑な作用は気道上皮、分解系、及び炎症等の多因子により調節されていることが推察された。
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[Publications] 野村 明広: "Endothelinとアレルギ-反応" 臨床免疫. 22(5). 666-671 (1990)
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[Publications] 内田義之: "エンドセリンと肺" 呼吸. 8(11). 1161-1164 (1989)
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[Publications] 野村明広: "Endothelin and Bronchial Asthma" The Lancet. II(8665). 747-748 (1989)
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[Publications] 内田義之: "Endothelin,a novel vasoconstrictor peptide,as potent bronchoconstrictor" Eur.J Pharmacol.154(2). 227-228 (1988)