1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454243
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田辺 清勝 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80134625)
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Keywords | ニュ-モシスチス・カリニ / 遺伝子クロ-ニング / ワクチン / 日和見感染症 / 組換えDNA |
Research Abstract |
ニュ-モシスチス・カリニ(以下、カリニと略す)肺炎は後天性免疫不全症候群(AIDS)などの免疫不全患者に発症しやすく診断や治療法の確立が望まれている。カリニ病原体の培養増殖が難しいことから遺伝子組換え技法が有用であり、蛋白質の量産を目指すことができる。ワクチン化する標的物質を膜蛋白質のGP115Kに決め、この物質のアミノ酸配列から試作したオリゴヌクレオタイドプロ-ブでクロ-ニングを展開してきた。合成オリゴペプタイドをデザインしてウサギの免疫も平行して進めている。これは以前に作成したモノクロナ-ル抗体がGP115Kの糖鎖部位を認識していることが判明したため、糖鎖を解離させた蛋白質部分のモノクロナ-ル抗体を再度作成することと併せて作成しているもので、これまでに後者の抗体を2種類作成できた。つぎに、クロ-ニングを実施するために、カリニのcDNAからライブラリ-を作成してλgt11に組込み、約1万個のコロニ-をスクリ-ニングした。しかし、目的のクロ-ンを採るまでには至らず作戦を変えて、ジェノムライブラリ-をEMBL3ベクタ-で作成してプラ-クハイブリによるスクリ-ニングを行った。プロ-ブと強く反応するプラ-クがえられたので遺伝子解析したところ、ホモロジ-のある塩基配列がEMBL3ベクタ-の短腕に位置し、<Cla>___ー1で消化される2.7Kbpの部位に存在することがわかった。このため、λ系のベクタ-からpUCベクタ-に変更した。また、アミノ酸配列を再検討してオリゴプロ-ブも新らたに試作した。このプロ-ブはジェノミックサザンハイブリにおいて<Pst>___ー1で消化したカリニDNAの1Kbpの部位と反応することが確認できたので、この部位のDNAを寒天から回収し、pUCベクタ-に組換えてクロ-ニングしている。まだ目的とするクロ-ンが採れていないが、その原因のひとつに、組込み体をもったベクタ-の生成率が低いことがあげられ、この問題を解決するための検討も進めている。
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Research Products
(1 results)