1990 Fiscal Year Annual Research Report
神経疾患・筋疾患の病態におけるカチオンチャネルの役割
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02454244
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
萬年 徹 東京大学, 医学部・医学科, 教授 (10010208)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 正樹 東京大学, 医学部, 教務職員 (70225845)
清水 輝夫 東京大学, 医学部, 講師 (00107666)
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| Keywords | ナトリウムチャネル / リドカイン / 脱髄 / 多発性硬化症 / 筋緊張症 / メキシレチン / 海馬長期増強 / カルシウムチャネル |
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| Research Abstract |
多発性硬化症症例25例でリドカインテストを試行し、内22例で新たな症状の出現、既存症状の増悪・再現が認められ、しかも、うち、繰返しテストを施行しえた5例中5例で、治療と共に負荷効果が減弱・消失していくことが観察された。また、正常対照12例、疾患対照6例に対して、リドカインテストを行ったが、神経所見の変化は認められず、このテストが多発性硬化症のような巣性の脱髄性疾患に特異的であることが示唆された。このように、多発性硬化症のsilent lesionの検出法、病巣の空間的広がりの評価法としてのリドカインテストは、充分な例数と対照例数を蓄積し、方法的に、一応確立したものとなり、所期の目的は達成された。一方、刺激症状を有する、多発性硬化症症例、筋緊張性ジストロフィ-、発作性運動原性コレオアテト-シスでも、症例の蓄積が有り、そのすべてにおいて、リドカインが有効である事が確認された。
基礎実験系としては、刺激系で、電気刺激装置とアイソレ-タ、記録系で、ガラス管微少電極作製装置、デ-タレコ-ダが購入出来、大まかな道具だては整った。これに、イオン感受性電極、高抵抗のガラス管微少電極を用いた実験に使用しうる前置増幅器、in vitro実験に使用しうる実験槽ー灌流系の作製を含めた、機械的電気的に安定なミクロ生理学実験系が確立されつつある。この系において、海馬スライス標本を用い、記憶や痴呆との関連で注目されている長期増強の発現メカニズムの研究を行いつつある。そして、従来信じられているような、NMDA受容体のみならず、樹状突起のCaチャネルが本質的に重要な役割を演じていることを示唆する証拠がえられている。また、本研究の目的にかなった大きさの脱髄巣をもった、再現性のある実験脱髄標本を作る手技を試行・開発しつつある。
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[Publications] Sakurai,M.: "Calcium is an intracellular mediator of the climbing fiber in induction of cerebellar longーterm depression." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 87. 3383-3385 (1990)
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[Publications] Shimizu,T.: "Amyotrophic lateral sclerosis: electrophoretic study of amorphous material of skin." J.Neurol.Sci.95. 111 (1990)
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[Publications] Sakurai,M.: "Lidocaine unmasks silent demyelinative lesions in multiple sclerosis."
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[Publications] Sakurai,M.: "Successful treatment of irritative symptoms in multiple sclerosis with Na channel blockers."
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[Publications] Sakurai,M.: "Successful treatment of myotonia with voltageーdependent Na channel blocker,lidocaine,mexiletine."
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[Publications] Sakurai,M.: "Hippocampal longーterm potentiation induced in Mgーfree medium by lowーfrequency stimuli and its blockade by GABA."
