1990 Fiscal Year Annual Research Report
IP4結合蛋白質(受容体)を用いた細胞内Ca^<2+>動態とPIレスポンスに関する検討
Project/Area Number |
02454250
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川口 秀明 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70161297)
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Keywords | イノシト-ル4リン酸、 / 細胞内カルシウム / イノシト-ル4リン酸結合蛋白質 / 細胞膜情報伝達系 / ホスホリパ-ゼC |
Research Abstract |
カルシュウムを細胞内情報伝達因子とする生理現象は、生命現象の非常に広範な分野において見られる。すなわち神経伝達物質やホルモンなどの作用、細胞増殖因子による細胞増殖時、発癌遺伝子による癌化、循環器領域においては、血管および心筋収縮および動脈硬化発症時における平滑筋細胞の増殖において、イノシト-ルリン脂質代謝亢進を生じカルシュウムの動員が起こることが明らかになって来ている。その際、広範な生理作用を引き起こすIP3,IP4の産生が生じることもすでに証明されている。われわれはIP3、IP4の定量法を開発中であり、カルシュウム動員を引き起こす本体、IP3,IP4の量的変化を簡便に測定する方法を確立し、さらに心筋障害時におけるイノシト-ルリン酸ーカルシュウム代謝経路が解明されれえば、さらにホルモン作用の機序や細胞増殖、平滑筋および心筋の収縮機構の解明といった基礎研究一般の非常に広い生命現象の解明にも大きな貢献を引き起こすものと思われる。申請者はすでに細胞内カルシュウムモニタ-可能な顕微鏡装置をもちい、心筋収縮時におけるカルシュウムの動態に関して検討中であり、今後細胞内、IP3、IP4の測定を試みる一方、細胞内にIP3,IP4を注入法または細胞融合法によりこれらをいれ、細胞内カルシュウム動態および収縮力の変化を検討中である。IP4結合タンパク質に関しては現在、ラット心筋ホモジネ-トを超遠心後、FPLCを含む各種カラムと等電点電気泳動法を用いてIP4結合蛋白質を単離精製中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H Kawaguchi: "Enclothelin stimulates aigiotensin I to angiotensin II conversion in cultured pulmonary artery endothelial cells" Journal Moll Cell Caudiol. 22. 839-842 (1990)
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[Publications] H Kawaguchi: "Inositoltrisphosphate kinase activity in hypetrophic rat heart" Biochemical Medicine and Metablic Biology. 44. 42-50 (1990)