1991 Fiscal Year Annual Research Report
培養血管内及細胞の老化に関する分子生物学的・生体工学的解析
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02454251
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安藤 譲二 北海道大学, 応用電気研究所, 講師 (20159528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 暸 東京大学, 医用電子研究施設, 教授 (50014072)
山越 憲一 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (40014310)
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Keywords | 血管内皮細胞 / カルシウムイオン / 血行力学因子 / 老化 |
Research Abstract |
平成3年度では加齢に伴う内皮細胞機能変化に関する実験を主として行った。具体的には内皮細胞の増殖能や再生能及び接着能の面から加齢の影響を検討した。また刺激に対する細胞の反応性に及ぼす加齢の影響に関してはATPなどの化学的刺激に対する内皮由来平滑筋弛機因子(EDRF)の分秘の面から検索した。これらの実験から得られた知見としては初代培養から継代をくり返した多数のcell lineの中でCPD(累積細胞分裂回数)が50を越えると増殖能が著明に低下して来るcell lineが認められたがこうしたcell lineでは内皮層を一部剥離した後の遊走・再生能が低下する傾向が認められた。またコラ-ゲン、フィアブロネクチン,ラミニン,ファイブリノ-ゲンなど各種の細胞外マトリックスに対する接着能に関しては加齢に伴いとくにラミニンに対する接着能が変化し,ラミニン上での細胞のspreadingが亢進している所見が認められた。このことから内皮細胞のラミニン受容体の発現あるいは機能が加齢により何らかの影響を受けた可能性が示唆された。またATP刺激に対するEDRF放出反応が加齢細胞で低下する傾向が観られ、このような細胞においてはATP刺激の際の細胞内カルシウム上昇反応が若年細胞群に比較して抑制されていることが分かった。EDRF放出が細胞内カルシウム濃度に依存する事実を観察しているがこの事を考え併せると加齢に伴う内皮のEDRF放出反応の低下傾向は刺激に対する細胞内カルシウム反応が抑制されているためである可能性が考えられ,加齢により細胞内情報伝達系に何らかの異常が生じているのかも知れない。この点は平成4年度においても引続き検討を加える予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 安藤 譲二: "シェアストレスと血管壁細胞の機能変化" 最新医学. 46. 18-23 (1991)
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[Publications] 安藤 譲二: "血流のshear stressと内皮細胞の反応" BME. 5. 8-19 (1991)
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[Publications] Joji Ando: "Culture of human adult endothelial cells on liquidーliquid interfaces:A new approach to the study of cellーmatrix interactions" In Vitro Cell Dev.Biol.27A. 525-532 (1991)
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[Publications] Joji Ando: "Pressureーvolume relationships of finger orteries in healthy Subjects and patients with coronary atherosclerosis measured nonーinvasively by photometric plethysmography" Jpn.Circ.J.55. 567-575 (1991)
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[Publications] 安藤 譲二: "血管内皮細胞の流れ感知機構" 脈管学.
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[Publications] Joji Ando: "Effect of extracellualr ATP level on flowーinduced CA^<++> response in cultured vasular endothelial cells." Biochem.Biophys.Res.Comun.
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[Publications] 安藤 譲二: "医学のあゆみ" Shear Stressによる血管機能制御,
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[Publications] 安藤 譲二: "血管と内皮" 血流に対する内皮細胞の反応,