虚血心筋に対するcoronary sinus refroinfusion法の研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02454261
• Research Institution: Aichi Medical University
• Principal Investigator: 渡邉 務 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00097809)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 国見 知明 愛知医科大学, 医学部, 助手 (30170012) ; 森 光春 愛知医科大学, 医学部, 助手 (60191003) ; 水谷 登 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40131255)
• Keywords: synchronized retroperfusion / synchronized retroinfusion / diltiazem

Research Abstract

虚血心筋に対する心筋保護は数々の検討がなされている。我々は虚血に陥った心筋に対し冠静脈洞へ挿入したカテ-テルを介して逆行性に薬剤を投与するsynchronized retroinfusion(SRI)法の有用性を検討した。
対象および方法:体重16〜46kgの雑種成犬25頭を用いた。それぞれ冠動脈へ非開胸X線透視下でバル-ンカテ-テルを挿入し冠閉塞犬を作成した。冠閉塞作成後、非薬物投与で経過を観察(コントロ-ル群)10頭、酵素化した動脈血を逆行性に投与した(SRP群)10頭、SRPにdiltiazem5μg/kg/minを投与した(SRI群)5頭に分類し対比検討した。血行動態は左室、肺動脈へカテ先トランスジュサ-カテ-テルを挿入し測定、冠動脈内に挿入したガイドワイヤ-を利用し冠動脈内心電図を記録した。実験終了後に心臓を摘出しtriphenyl tetrazolium chloride(TTC)染色法で梗塞巣を検討した。
結果:梗塞巣の占める割合はcontrol92%、SRP54%、SPI60%であった。
本年度研究後の問題点:control群に比しSRI群が心筋保護の点で優れていることが判明したが、薬剤の効果が明瞭ではなく、現在、逆行性に静脈血を用い、薬剤を投与する方法で検討を進めている。