1991 Fiscal Year Annual Research Report
虚血心筋に対するcoronary sinus retroinfusion法の研究
Project/Area Number |
02454261
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 務 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00097809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 光春 愛知医科大学, 医学部, 助手 (60191003)
脇田 康志 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90201152)
水谷 登 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40131255)
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Keywords | Synchronized retroperfusion / diltiazem / retroinfusion / 急性心筋虚血 |
Research Abstract |
本年度は、昨年までの研究より得た知見より、薬物投与量、冠動派閉塞時間の変更を行い、実験を再検討した。雑種成犬30頭を対象とし、非開胸にて、X線透視下にBallon Catheterを冠動派左前下行枝に挿入し、冠閉塞を作成した。うち4頭は、冠閉塞直後に不整脈にて死亡し、残り27頭を対象とした。5頭は、冠閉塞後210分間無処置にて観察しcontrolとした(A群)。残り22頭に対しては、冠閉塞30分間後よりdiltiazem3μg/kg/minを以下の3方法にて180分間投与した。B群(n=8):静脈内投与。C群(n=7):心拍同期心潅流法(SRP)+静脈内投与。D群(n=7):SRP+冠静脈内投与。尚、全例にて同様のcatheterizationを行った。210分の冠閉塞後、monastral blue dyeを左室内に投与したのち、塩化カリウムにて心臓を停止させ、短軸方向に約1cmのスライスを作成し、虚血域(R)の左室(L)に対する比率を求め、続いてtriphenyl tetrazolium chrorideにて梗塞巣(I)を測定した。更に薬剤の心筋内到達度をみる為、冠閉塞180分時のdiltiazem血中濃度(Bl)、虚血部(I)、非虚血部(N)の心内膜側(End)および心外膜側(Epi)の心筋内濃度を測定した。全経過中の血行動態は4群間に差を認めなかった。 Bl(ng/nl) IEpi(ng/gr) IEnd(ng/gr) NEpi(ng/gr) NEnd(ng/gr) R/L(%) I/R(%) A群 ー ー ー ー ー 22.9±3.1 78.2±2.5^* B群97.14±14.7 281.1±65.9 172.6±43.7 1022.4±156.9 1012.1±114.5 23.6±2.6 80.2±3.2^* C群112.6±27.4 665.1±182.0 432.4±171.3 1543.4±283.4 1446.9±240.2 28.6±5.7 59.9±7.6 D群106.6±17.2 1348.9±441.6 836.6±329.2 1010.9±164.2 1044.6±151.8 23.5±6.1 42.6±5.1 ^*p<0.05 vs D群、平均±S.E.M. これらの結果よりSRP+diltiazemの冠静脈内投与の有効性の示唆され更に対象数を増やし、各群間にて有意差を得られるまで平成4年度も、同実験を継続する予定である。
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