1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454263
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古賀 義則 久留米大学, 医学部, 助教授 (50080669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 真詩 久留米大学, 医学部, 助手 (70180304)
梶山 公則 久留米大学, 医学部, 講師 (00175275)
野原 正敏 久留米大学, 医学部, 講師 (90148792)
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Keywords | SHR / 圧負荷肥大心 / ノルエピネフリン / プロテインキナ-ゼC / 骨格筋型アクチン mーRNA |
Research Abstract |
1)圧負荷肥大心の発生過程におけるα受容体ープロテインキナ-ゼC系の局所反応 昨初度は10週令SHRの腹部大動脈狭窄8時間後に心筋内ノルエピネフリン(NE)、プロテインキナ-ゼC(PKC)の活性化がみられ、圧負荷肥大心の発生にα_1受容体ーPKC系が関与していることを示した。そこで本年度はNE、PKCの反応性を左室自由壁、心室中隔、心尖部に分けて検討した。心筋内NEはsham群では自由壁>中隔>心尖部の順に高く、これは心臓の交感神経分布を反映していると考えられた。一方イノシト-ル3燐酸(IP_3)、PKCは心尖部、中隔で高く代償的なupーregulationと考えられた。腹部大動脈狭窄8時間後に心筋内NEは増加したが心筋内分布には変化はなかった。IP_3は中隔、自由壁で減少したが心尖部では不変でPKCは心尖部、中隔で有意に上昇した。この様にSHR圧負荷心では心肥大時の細胞内シグナルとして重要なPKCの反応に局所差がみられ、心尖部、心室中隔の非対称性肥大の機序として注目された。 2)圧負荷心における骨格筋型アクチンmーRNAの部位別発現様式 骨格筋型アクチン(sーACT)は胎児型isoformであるが、圧負荷心肥大時に再発現する。そこでprimer extension法を用いて腹部大動脈狭窄ラットのsーACT mーRNAの局所発現様式を検討した。圧負荷6時間後よりsーACT mーRNAの発現がみられ、これは心外膜側よりも心内膜側で強く(sham群との発現比:5.6vsl.8)また心基部よりも心尖部で強く認められた(6.4vs4.8)。この様なsーACT mーRNA発現の局所差は負荷時の心筋内stress分布に対応するものと思われるが、この為に心尖部では強い肥大反応を示す可能性が示唆され心尖肥大型心筋症の成因と関連した興味ある所見であった(第55回日循総会、1991年3月京都、および第64回AHA1991年11月Anaheim CA発表)。
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