1990 Fiscal Year Annual Research Report
HLA不適合骨髄移植におけるLFAーl抗体投与後のその血清濃度と生物学的影響
Project/Area Number |
02454267
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 多助 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (00004846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 直子 東北大学, 抗酸菌病研究所, 医員
峯岸 正好 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (20211592)
佐藤 徹雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (90170761)
土屋 滋 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (30124605)
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Keywords | 骨髓移植 / HLA不適合 / 抗LFAー1抗体 / 酵素免疫法(ELISA) / リンパ球芽球化反応 / T細胞 |
Research Abstract |
骨髓移植(BMT)の絶対的適応の患者でHLA適合ドナ-が得られない場合両親や同胞のハプロタイプ一致ドナ-からのBMTが試みられるが,生着不全(拒絶)やGVH病が出現し成功しないことが多い。この様なHLA不一致BMTにおける隘路を克服する一方法として抗LFAーlモノクロ-ナル抗体(mAb)の投与があるが,その至適使用量や血清濃度について不明な点が多い。本研究においては抗LFAーl mAb(“25.3",マウス(m)lgGl)投与後の血清濃度,その免疲学的影響を調べることを目的とした.本年度の成績は次の通りである。(1)、抗LFAーl mAbの血清濃度測定法の確立:マイクロタイタ-を用いた酵素抗体法(ELlSA)を確立した。一次抗体として抗mlgG抗体(ヤギ),二次抗体としてビオチン化抗mlgG抗体(羊)を用いた二抗体サンドウィッチ法,アビチン化アルカリフォスファタ-ゼを標識酵素とした。定量性を確認した。(2).mAbの24時間カイネテックス:0.2mg/kgのmAb“25.3"を6時間で静脈内に点滴輸注した際の最初の24時の血清レベルの変動を調べた結果,輸注終32時間後にピ-ク値(2.0μg/ml)を呈し,その後結徐に低下し,24時間1.5μg/mlであった。(3).連日7日間投与時のカイネテックス:0.2mg/kgを連日投与した際,mAbの濃度は上昇し,ピ-ク値で5日目がもっとも高値(12.5μg/ml)となり,底値では7日目まで上昇し最高値(10μg/ml)を呈した。輸注中止5日後は検出不能となった。(4).リンパ球のマイトゲンに対する芽球化反応:mAb投与後5日目のリンパ球のPHA,ConA,PWMに対する芽球化反応は陰性となったが,輸注中止1ケ月のそれは正常化した。(5).T細胞サブポプレ-ションの変動:CD3+T細胞比率は変動しないが,CD4+細胞は著減し,CD8+細胞が増加した(CD4/CD8,0.9→0.2),1ケ月後には元に復した。
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[Publications] Majima T,Minegishi N,Nagatomi R,Ohashi Y,Tsuchiya S,Kobayashi K,Konno T.: "Unusual expression of lgG Fc receptors on peripheral gramlocy tes from pahents with leukocyte adhesion deficiency(CD11/CD18deficiency)" Journal of lmmunology. 154. 1694-1699 (1990)
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[Publications] Minegishi M,Tsuchiya S,Mingishi N,Nakamura M,Abo I,Inaba T,Konno T: "Functional and moleculas characteristics of acule lympho blastic leukemia cells with a mature Tーcell phenotype from a pahent with ataxia teleangiectasia" Lenkemia. 5. 101-102 (1991)