1991 Fiscal Year Annual Research Report
全長デスモプラキンcDNAのクロ-ニングとその分子構造解析および遺伝子マッピング
Project/Area Number |
02454280
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 隆 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20129597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 純 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (80178003)
清水 信義 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
田中 勝 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40188339)
西川 武二 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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Keywords | 表皮 / 細胞間接着 / デスモソ-ム / デスモヨ-キン / 分子生物学 / 生化学 |
Research Abstract |
昨年度、私共は抗デスモソ-ムモノクロ-ナル抗体を用いたマウスcDNAライブラリ-のスクリ-ニングにより9種のcDNAクロ-ンを得た。当初、これらのcDNAはデスモプランキンをコ-ドするものと考えたが、これらのcDNAより作成した融合蛋白がよく知られた抗デスモヨ-キンモノクロ-ナル抗体とも反応したことより、デスモヨ-キンcDNAであることが確認された。これらのcDNAの一つのDY6の全塩基配列を決定した。DY6は3693bpよりなり、これはデスモヨ-キンC末端球状部の一部を占める1231アミノ酸をコ-ドしていた。これらの配列は既知配列のデ-タベ-スの比較で類似の配列を全く認めなかった。DY6は約10の特徴的な128残基繰り返し配列よりなり、これらの配列は、さらに4部位に分けられ、それぞれの部位は相互に高度の保存性を有していた。この128残基繰り返し配列中には略7残基繰り返し構造があり、これはcoioledーcoil構造を形成する7残基配列とは全く異なるユニ-クなものであった。この部位の2次構造は18のantiparallel β構造により表面に極性残基、中心部に非極性残基が集合する非常にコンパクトな球状構造と予測された。さらに、その表面には繰り返し出現する酸性と塩基性残基の集合した部位により他のデスモソ-ム構成蛋白と電気的に結合すると考えられた。現在残りの9クロ-ンのうちDY6と異なる部位をコ-ドするDY8とDY15の塩基配列決定を進めている。また、別の抗デスモヨ-キンモノクロ-ナル抗体7Dー5Bにより得られた全く別の部位をコ-ドすると思われるcDNAも検討中である。さらに、これらのcDANをプロ-ブとして新しいクロ-ンを単離し、デスモヨ-キン全遺伝子を決定することは、この新しいデスモソ-ム接着板蛋白の全構造・機能を解析する上で重要なばかりでなく、表皮細胞接着の最も重要な装置であるデスモソ-ムの研究にも大きく貢献すると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 橋本 隆: "皮膚科における遺伝子工学の応用:デスモソ-ム蛋白の分子生物学" 日本皮膚科学会雑誌. 101. 1681-1686 (1991)
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[Publications] Hashimoto T.et al: "Cloning and characterization of a mouse cDNA for desmoyokin,a 680 kD desmosomal plaque protein" J.Cell Biol.