1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454281
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Research Institution | The Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
新村 眞人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00010190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 義方 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60184727)
太田 有史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20168933)
本田 まりこ 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20100919)
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Keywords | レックリングハウゼン病 / 神経線維腫症 / 神経鞘腫症 / 遺伝子 / 22番染色体 |
Research Abstract |
神経線維腫症には幾つかの病型がみられるが 古典的レックリングハウゼン病はNF1 両側性聴神経腫瘍を有するものはNF2と分類されている NF1の遺伝子は1900年7月にクローニングされ その後に全塩基配列が明らかにされた NF1遺伝子には49のエクソンがあり われわれはこれらのエクソンについて PCR-SSCP法を用い30例のNF1患者の遺伝子検索を行ったが 変異のある症例は認められなかった これは遺伝子が約300kbpと巨大なためであり さらにイントロンを含めた検索を進める必要がある 一方 NF2の遺伝子はいまだクローニングされていないが リンケージ解析から22q111-13 1に坐位するものと考えられている また 多発性神経鞘腫症とNF2との異同も明かではない われわれは7例の多発性神経鞘腫症患者の白血球と皮膚神経鞘腫からDNAを抽出し 22q11 1-13 1のDNAマーカーを使用して Southern blot法を施行した D22S15を使用した場合 1症例で腫瘍DNAの3 1kbpのバンドが消失しており 他の1症例では腫瘍からのバンドが白血球の50%に減弱していることから ヘテロ接合性の消失が認められた さらにD22S15より動原体側にある白血病抑制遺伝子LIFをプローブとした場合にも 上記2例では腫瘍シグナルの50%の減弱が認められた また LIFよりも数百bp動原体側にあるプローブe5では 上記2例に加え他の1例でも腫瘍バンドの減弱をみとめ e5より動原体側のcEWでは7例全例でヘテロ接合性の消失は認めなかった 以上の結果から多発性神経鞘腫症はNF2と同一疾患であり 聴神経腫瘍を合併しないものであると考えられる また その遺伝子はNF2と同様に22番染色体の長腕の白血病遺伝子LIFの100〜200kbp動原体側にあるものと推定された
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[Publications] 新村 眞人: "Reck Linghausen病" 日本臨床. 50. 168-175 (1992)
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[Publications] 新村 眞人・本田 まりこ: "神経線維腫症" Biomedica. 7. 1072-1076 (1992)
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[Publications] M,Niimura: "Aspects in Neurofibromatosis from the Viewpoint of Dermatology" The Journal of Dermatology. 19. 868-872 (1992)