1991 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型人工血管における人工素材ー細胞間の相互作用に関する組織学的検討
Project/Area Number |
02454296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 祐輔 東京大学, 医学部(病), 助教授 (70010246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 俊哉 東京大学, 医学部(病), 助手
大島 哲 東京大学, 医学部(病), 助手
江上 純 東京大学, 医学部(病), 助手
佐藤 紀 東京大学, 医学部(病), 助手 (40170724)
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Keywords | ハイブリッド型人工血管 / 小口径人工血管 / 血管内皮細胞 / 細胞培養 / 超極細ポリエステル繊維 / Endothelial cell seeding / Prelined graft |
Research Abstract |
ハイブリッド型人工血管の短期及び長期移植実験をイヌを用いて行った。血管内皮の採取及び培養は前年度採用した方法を用い、人工血管は前回の内皮生着の検討より超極細ポリエステルファイバ-で編んだ内径7mmのlow porosity(130ml/min/cm^2)のものを採用した。 1.短期移植実験 採取した血管内皮細胞をfiltration法で人工血管に付着させた。この際、グラフトの半分に内皮をseedし残りの半分は細胞を付着させないコントロ-ルとした。3日間培養を続けたのち腹部大動脈に自家移植し、2週間にわたり経時的に回収した。回収したグラフトは硝酸銀染色し内皮細胞の被覆化を観察した。seeding部では40ー100%の被覆化が認められたのに対し非seeding部では全く被覆されなかった。 2.長期移植実験 短期移植実験と同じ方法でseedingを行い移植後1ヶ月から4ヶ月まで1月ごとに動物を犠牲死させグラフトを採取、光顕・走査電顕・透過電顕にて検索した。seeding部ではすべての時期において内腔は一層の内皮細胞で覆われていた。基質化に関しては1ヶ月後ではfibrin血栓であったのが、2ヶ月後には内皮下に多層の間質型細胞を認めるようになった。3ヶ月を越すと基質化は更に進み、平滑筋細胞様細胞やコラ-ゲンによって構成された緊密な組織となった。これに対し非seeding部ではpannus以外の内皮化は進まず3ヶ月を経ても厚い血栓に覆われた部分が多く、このために内腔の狭窄に至った部位も認めた。更に内膜の厚さをみると、seeding部では3ヶ月後に平均60μmに至った後一定となったのに対し、非seeding部では3ヶ月以降も成長し110μmに達した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shindo S.et al: "Perianastomotic findings of the endothelial cell seeded grafts at three months" ASAIO J.
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[Publications] Egami J.et al: "Histological study of endothelial cell seeded grafts implanted to the canine aorta" J.Vasc.Surg.