1991 Fiscal Year Annual Research Report
動脈血行再建術における晩期閉塞の発生機序の本態の解明に関する研究
Project/Area Number |
02454308
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
草場 昭 琉球大学, 医学部, 教授 (40038659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城間 寛 琉球大学, 医学部, 助手 (20179063)
喜名 盛夫 琉球大学, 医学部, 講師 (80153154)
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Keywords | 末梢動脈血行再建 / 自家靜脈移植 / 移植片内膜肥厚 / 吻合部内膜肥厚 / 筋原線維芽細胞 / ブロモデオキシウリジン / 新生栄養血管 / 異常血流 |
Research Abstract |
下肢動脈自家靜脈移植術後の晩期閉塞の本態について検索した。犬膝窩動脈を結紮して異常流れを作成し、大腿動脈自家靜脈バイパス移植を行い、移植片ならびに吻合部治癒経過を観察した。 1)移植3日以内に移植片は類壊死に陥り、5ー14日では、中膜平滑筋細胞は平滑筋細胞アルファアクチン(Aーsmアクチン)染色に対する染色性が減弱した。同時期の外膜ではAーsmアクチンに弱く染色される細胞が多数出現した。電顕的観察では、中膜、外膜に多数の筋原線維芽細胞がみられ、前者は平滑筋細胞由来、後者は線維芽細胞由来の細胞と考えられた。これらの細胞ブロモデオキシウリジン(BrdU)注入試験でBrdUの強い取り込みがみられ、細胞増殖の活動期にあり、内膜肥厚ならびに類壊死変性した外膜の修復に関与すると考えられた。 2)末梢側端側吻合部では,吻合のtoe,heel,floorでパンヌス過形成が認められたが、移植後5ー14日目に、吻合物組織内にBrdUを取り込む細胞が多数出現した。線維芽細胞由来の筋原線維芽細胞と考えられ、吻合部の修復に関与すると考えられた。 3)吻合部パンヌスにおける多数の細血管新生過程をマイクロフィル(Mf)血管内腔注入により検索した。移植5日目,移植片、宿主動脈共にMfの壁内流入はみられないが、縫合系に沿う組織裂隙を介してMfの内→外への流入がみられた。14日目では,縫合系に沿って内腔由来で外側に向って樹枝状に分枝しながら、中、外膜の栄養血管と連結する新生細血管が多数認められた。走査電顕による観察でも、吻合部に沿って並ぶ内腔由来の新生細血管が多数認められた。1カ月以降では、内腔由来の新生細血管は中、外膜栄養血管と連結するばかりでなく、吻合部パンヌス内に縦走、輪走して密に分布する所見がみられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] D R Shrestha,Shiroma H,Kamada Y,Kusaba A: "Microscopic and Immunohistological Studies on Intimal Hyperplasia of the Arterially Implanted Autovein Graft and Its Anastomosis in Dogs" Surgery Today. (1992)
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[Publications] D R Shrestha,Akira Kusaba: "Development of Luminally Originatint Vasa Vasorum in Arterially Implanted Autogenous Vein Graft and Related Anastomosis in Dogs" Vascular Surgery. (1992)