1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454315
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 正之 京都大学, 医学部, 講師 (00108995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 清之 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70026847)
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Keywords | ガストリノ-マ / セクレチン / 選択的動脈内セクレチン注入法(SASI) / インスリノ-マ / 十二指腸ガストリノ-マ / サイトカラシンB・D / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
1)十二指腸ガストリノ-マ(DーGoma)をSASIテストで局在し7例を切除した。免疫組織染色でDーGomaはインスリン細胞が1/7例のみにあり,それも1%であった。膵Gomaでは6/6例100%にインスリン細胞が1ー10%あった。グルカゴン細胞も同様の傾向で,ソマトスタケン,PP_1は有意差がなかった。私達の扱った腫瘍は培養上清にガストリンを分泌しており,この結果はDーGomaと膵Gomaの臨床像と生物学的特性の違いがそれらの発生の違いに基づくことを示唆している。(World J Sungに報告) 2)2例の多発性内分泌腺腫症I型のGomaの局在をSASIテストで診断した。動脈造影で膵体尾部に腫瘍像が抽出されたが,SASIテストは膵頭十二指腸領域の局在を診断した。膵体尾部腫瘍を核出し膵頭十二指腸切除した。1例はミクロGomaを十二指腸粘膵下に2個有し,膵に25個ミクロ腺腫がありグルカゴン細胞とインスリン細胞を多く有していた。1例は7個のミクロGomaが十二指腸にあり,膵に4個のグルカゴン細胞の多い腺腫と3個のPP細胞を10%含有する腺腫を有し,SASIの結果が正しく,また多発性内分泌腺腫症I型でもGomaが膵より,むしろ十二指腸に多いことを示唆した。(World J Sing,国際内分泌外科学会で報告)3)内分泌腫瘍以外の癌でもペプチド分泌を促進する物質を探している。蚕の蛋白分泌細胞を刺激し分泌促進するCytochalasin BとDを使って,alphlifetoprotein(AFP)産肝癌細胞を刺激した。培養肝癌細胞はCa^<++>イオンではAFPを上清に分泌しない。cytochalasin B・Dでも10μg/ml,20μg/mlの濃度では,AFPの培養上清への分泌は抑制された。より少量を使って刺激効果を検討中である。構成性分泌の刺激は内分泌と異なり分泌促進物質の研究が遅れていて知見に乏しく,更に研究を進めたい。4)インスリンノ-マ患者でCA^<++>イオン刺激による局在診断を1例に試みた。膵頭部局在が診断しえたが,発表にはまだ数例の実施が必要と考えている。
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