1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝虚血ー血液再潅流による組織障害の機序解明と治療に関する実験的研究
Project/Area Number |
02454317
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
永末 直文 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40117198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷浦 博之 島根医科大学, 医学部, 助手 (80171833)
張 玉川 島根医科大学, 医学部, 助手 (20188501)
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Keywords | 肝移植 / 肝阻血 / カルシウムイオン / 再潅流障害 / ケトン体比 |
Research Abstract |
この研究の主眼は大動物を用いてin vivoでの肝阻血ー再潅流時における細胞内カルシウムイオン代謝とミトコンドリア機能を経時的に観察することによって肝細胞障害のメカニズムを解明することである。現在までに細胞内カルシウムを測定する手技としては、(1)微小電極(2)蛍光カルシウムキレ-ト剤(Fura2、Quin2)(3)原子吸光分析を用いる方法があるが、測定精度が高くin vivoへの応用が可能と思われる微小電極法を採用した。しかし我々が知りえたかぎりでは、微小電極法によるin vivoでの細胞内カルシウム濃度の測定はカエルの近位尿細管細胞について行われているに過ぎず(Lee C.O.;1980,Kubota T.;1990)過去に肝細胞内のカルシウム濃度を微小電極で測定した報告はなく相当の困難が予想された。7月に差動型エレクトロメ-タ-が届き実験を開始したが、実際測定するに当たって(1)微小電極の作成(2)in vivoでの肝細胞穿刺手技が大きな問題となった。我々は測定技術習得のため11月に大阪医科大学生理学教室に赴き、微小電極作製法、穿刺手技について学んだ。この実験のためには極小電極を大量に作らねばならないが、これまでに作成した数十本のうち実験に使えるのは1〜2本しかなく、微小電極を安定して供給できるまでにはいたっていない。一方穿刺手技についてはラットの摘出肝臓および筋細胞を用いて膜電位の測定を行ない、技術の向上を計っている。さらに摘出肝臓でのカルシウム濃度が測定できるようになっても、この実験では呼吸運動をしている大動物の肝臓を穿刺しなければならないという新たな問題がある。現在我々はこれらの問題を解決すべく努力しているところである。なお、これまでに作成した微小電極によるcalibration curveと膜電位のグラフを資料として添付する。
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