1990 Fiscal Year Annual Research Report
担癌患者血清中および癌組織の各種サイトカイン微量測定と免疫学的機能の検討
Project/Area Number |
02454320
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
蔵本 新太郎 東邦大学, 医学部, 教授 (50057460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中崎 晴弘 東邦大学, 医学部, 助手 (00207747)
吉雄 敏文 東邦大学, 医学部, 教授 (80057497)
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 助手 (10130345)
木村 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (10009996)
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Keywords | 肝癌 / TNFーα / ILー1 / ILー6 / GMーCSF / auto crine増殖 |
Research Abstract |
(1)担癌患者末梢血を術前術後に採取し、ILー1,ILー6,TNFーα,GMーCSF値を測定したところ、各サイトカインが高値である事が判明した。そこで術後1日目は3時間毎に、2日目以降7日目までは1日おきに、退院後は来院時に採血し各サイトカインの変動を検討した。その結果、TNFーαは術前からコントロ-ル群より高値を示し、さらに術後15時間と2日目にピ-クをもって産生される事が判明した。またILー1αは術後18時間と3日目にILー1βは21時間と5日目に、ILー6は24時間と7日目にピ-クを示した。GMーCSFは術後徐々に上昇する傾向が認められた。また再発がAFP、CEA等の腫瘍マ-カ-や画像診断でとらえられる前にTNFーαが上昇する傾向がみられ、TNFーαの腫瘍マ-カ-としての有用性が示唆された。 (2)胆石症患者においても同様の検討を行なったところ、各サイトカインのピ-クは担癌患者と同様の結果が得られたが、産生量は低かった。 (3)手術時に癌組織を採取、これを培養し、cell line化を試みた。組織は肝細胞癌、転移性肝癌を用いた。組織を採取後、RPMIー1640ー10%FCS培地にて細胞を浮遊し、これを37℃、5%CO_2下で培養した。約1カ月後より増殖の認められたものを継代し現在まで7株の細胞が得られた。この細胞株の上清中の各サイトカインを測定したところ、TNFーα,ILー6,GMーCSFがかなりの高濃度で検出された。これらはその特異抗体添加培養により、細胞数、生存率ともに抑制された。また、10%FCSの影響を除くため無血清培地(エスクロン、SPー02)で培養し、各サイトカインおよび特異抗体を添加後、上清中の各サイトカインを測定したところ、各サイトカイン間での相互作用が観察された。現在癌細胞のサイトカインによるauto crine増殖が注目されているが、我々の樹立した細胞株は、この事を研究するうえで最良のモデルであると思われた。
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Research Products
(1 results)