1990 Fiscal Year Annual Research Report
弓部大動脈血行遮断時経上大静脈逆行性脳潅流法による脳保護効果の検討
Project/Area Number |
02454321
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田辺 達三 北海道大学, 医学部, 教授 (50000956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 慶秀 北海道大学, 医学部附属病院, 教授 (60125359)
佐久間 まこと 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70170636)
松居 喜郎 北海道大学, 医学部, 助手 (90219379)
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Keywords | 逆行性脳潅流法 / 脳虚血 / 弓部大動脈 / 脊髄誘発電位 |
Research Abstract |
近赤外線酸素モニタ-(特注)の完成が遅れ実験計画はやや遅れ気味である。本年度は、モニタ-としての1.近赤外線酸素モニタ-の安定した測定の確立、2.体性感覚誘発電位の(SEP)の確実な測定の確立と成犬を用いた脳虚血モデルの確立に対する基礎実験を行った。 近赤外線モニタ-はプロ-ベの固定位置により測定値が変わるため、成犬の頭皮下筋膜上に固定する方法をとることとした。これにより比較的安定した脳内oxy Hb、deoxy Hb、total Hbの相対値の測定が可能となった。 SEPは左腋窩神経刺激、頭皮測定により施行したが、実験室の雑音が多く必ずしも少ない平均加算では正確な波形分析は困難で安定性に乏しいため硬膜外刺激、頭部皮下筋膜測定により誘発電位を測定することとした。 成犬は上大静脈に多数の静脈弁を有し単純に上大静脈に送血を行ってもヒトと異なり脳へは殆ど潅流されないため、静脈弁カッタ-を用いたが必ずしも安定した手技となり得ず、解剖を詳細に検討し内頸静脈まで露出し選択的カニュレ-ションを行うこととした。色素注入によりこの方法では脳内潅流が安定して可能であることが確認され、分布についても検討中である。体外循環の施行法についても単純な方法を行うこととし、循環停止時は上行大動脈遮断、内頸静脈送血を行っている。脳虚血時間を37℃虚血で一応10分〜30分で検討したがモデルとしては常温では10分程度が望ましいことが判明した。 現在までのところ逆行性脳潅流法を用いないモデルでSEP再潅流後30分程度で回復してくること、脳潅流の状態は、色素注入による確認によると近赤外線酸素モニタ-により非侵襲的に測定可能であることが判明している。
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