1990 Fiscal Year Annual Research Report
上行弓部大動脈解離の予後に関する血行力学的要素の実験的解析
Project/Area Number |
02454332
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川田 光三 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30051113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古梶 清和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20186638)
南雲 正士 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70198365)
四津 良平 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30129738)
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Keywords | 上行弓部大動脈解離 / 弓部解離モデルグラフト / 解離真腔圧 / 解離腔側圧 |
Research Abstract |
上行弓部大動脈解離のモデルとして,右図の如く作製した。真腔10mm,解離腔20mm,弓部分枝として8mmのKnittedの人工血管を用いた。弓部の形態を保持するために屈曲の内側を縫縮することによって弓部大動脈の形をとるようにした。 真腔及び解離腔の圧側定用チュ-ブP_<1〜4>をこのモデルグラフトの図の部位に縫着してその測定圧をP_1と比較すると同時にレコ-ダ-に記録して解析を加えることとした。 解離腔へのentryとして,E_<1〜3>を設定しその径を10mmとした。また大動脈弓部の分枝血管としてB_<1〜2>を真腔グラフトより分岐する様に縫着した。 このモデルグラフトをentryの位置と組合せにより次の4つの型とした。1型:E_1のみで中枢側のentryのみ。2型:E_2のみで弓部中央のentryのみ。3型:E_3のみで末梢側のentryのみ。4型:E_1+E_3でentry,reーentryを有するもの,である。以上の各モデルグラフトを拍動型循環回路に組み込んで,流量,血圧を設定して,解離腔内の圧変化を真腔圧P_1と比較した。 結果:E_<1〜3>のentryの位置による解離腔内圧の変化はE_2>E_1>E_3となり最も高値を示した型はE_2型であった。またこの場合B_<1〜2>への影響も大きかった。4型ではE_1及びE_3型の略中間値を示したがその変化の傾向は同じであった。また正常血圧群(P_1で120mmHg以下)では解離腔内圧への変化は殆んど少なく,高血圧群(P_1で150mmHg以上)では前述した圧変化の傾向はより明らかになり,2型では中枢側,末梢側盲端部での圧は尚高値を示していた。
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