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1991 Fiscal Year Annual Research Report

多発性外骨腫の責任遺伝子と悪性化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 02454344
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

琴浦 良彦  京都大学, 医学部, 助教授 (50127081)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石崎 寛治  京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (70111987)
佐々木 正夫  京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (20013857)
Keywords多発性外骨腫 / 二次性軟骨肉腫 / 連鎖解析 / ヘテロ接合性の消失 / p53癌抑制遺伝子 / 脱分化型軟骨肉腫
Research Abstract

今年度は特に軟骨肉腫の発生・進展に関与する遺伝子の変化、特に癌抑制遺伝子の変化について研究を行なった。対照としたのは原発性軟骨肉腫14例、続発性軟骨肉腫3例、計17例の軟骨肉腫である。まず17種類の染色体長腕あるいは短腕上の多型性マ-カ-を用いて、軟骨肉腫におけるヘテロ接合性の消失(loss of heterozyーgosity:LOH)の特徴を検討した。その結果最も高頻度にLOHが認められた染色体は17pであり、情報が得られた15例中6例(40%)において、LOHが認められた。LOHが検出された6例中3例は脱分化型軟骨肉腫、他の3例はgrade IIIの軟骨肉腫でありいずれも悪性度の高い腫瘍であった。17p以外では2q、6q、及び13qでそれぞれ1例ずつLOHを認めたのみで軟骨肉腫全体ではLOHの頻度は低いことが判明した。次にこれまで我々が骨肉腫において解析してきた癌抑制遺伝子である網膜芽細胞腫(RB)遺伝子及びp53遺伝子の異常を解析した。13qに存在するRB遺伝子に関してはcDNAを用いたサザン・ブロット法により、13qのLOHが認められた脱分化型軟骨肉腫1例で遺伝子内の欠失が検出された。17pにあるp53遺伝子に関してはcDNAを用いた構造異常の検索では明かな異常は認められなかったが、脱分化型軟骨肉腫3例及びstage IIIの軟骨肉腫1例おいて点突然変異が発見された。4例全てにおいて検出された突然変異の部位では正常な対立遺伝子は失われていた。即ち17pのLOHは、p53遺伝子の異常に関連したものであると考えられる。低悪性度の軟骨肉腫ではその異常が検出されなかったことより、p53遺伝子の変化は軟骨肉腫の発生そのものではなく、低悪性度の腫瘍から更に悪性度の高い腫瘍へと変化する腫瘍の進展の過程に関与していること強く示唆し、今後軟骨肉腫の悪性度の判定の際指標の一つになると思われる。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 山口 寿一: "Allelotype analysis in osteosarcoma;frequent allele loss on 3q,13q,17q,and 18q." Cancer Research. (1992)

  • [Publications] 戸口田 淳也: "Prevelance and spectrum of germーline p53 gene mutations among patients with Sarcoma." New England Journal of Medecine. (1992)

  • [Publications] 戸口田 淳也: "Mutation spectrum of the p53 gene in bone and soft tissue sarcomas."

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Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

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