1990 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の起源と破骨細胞と骨芽細胞の相関とに関する電顕的・電顕細胞化学的研究
Project/Area Number |
02454347
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
花岡 英弥 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20051287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊崎 寿之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10193236)
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Keywords | 起源 / 骨芽細胞 / 相関 / 電顕 / 電顕細胞化学 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
[目的]破骨細胞の起源については未だ諸説あるが,いづれの説においても最初の破骨細胞が出現する軟骨内骨化初期における軟骨原基周囲の骨膜内のin vivo,in situでの破骨細胞の形成過程や骨芽細胞との相関が形態学的には未だ明らかとされておらず,この点を解明すべく研究を行なった。[研究方法]1.妊娠15日のC_3Hマウスの大腿骨の軟骨原基を周囲の骨膜と共に摘出し、電顕用標本を作製した。この際,回転式ミクロト-ムを使用した。2.妊娠14日のC_3HマウスにPTH100単位を筋注,また3.妊娠14日のC_3Hマウスを開腹し羊水中にPTH10単位を注射した後縫合し,共に24時間後に胎生15日の大腿骨の軟骨原基を骨膜と共に摘出した。いづれも同様に電顕用標本を作製した。4.血液幹細胞に対するモノクロ-ナル抗体を用いた研究について文献などで調査した。[成果]1、では胎生15日の骨膜内に単核の破骨細胞を観察,その破骨細胞の胎体内には破骨細胞の特徴である豊富なミトコンドリアの他に骨芽細胞にみられるような良く発達した粗面小胞体も存在した。また,一部の多核破骨細胞にもなお胎体内に管腔の狭小化した粗面小胞体を散在性に有するものがあった。また,破骨細胞の特徴を持たない変性しつつある多核巨細胞が観察された。このことより,破骨細胞の起源が何の細胞であれ,前駆細胞は比較的発達した粗面小胞体を有する細胞であり,単核の破骨細胞を経て多核になる過程で粗面小胞体が消失して行く現象が判明した。また,変性多核巨細胞は変性した骨芽細胞が融合したものの様に思われた。以上の結果を昨年秋に国際整形外科基礎学会で発表した。2、及び3、では前駆細胞から多核の破骨細胞になる過程がより顕著に観察され,本年秋の日本整形外科基礎学会で発表予定である。4、については、モノクロ-ナル抗体を用いた研究よりも共存培養法による実験の方がより重要であることが判明したので研究の変更が必要である。
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