1990 Fiscal Year Annual Research Report
脳脊髄血管の反応性及び薬物感受性制御機構の生体内顕微鏡による解析
Project/Area Number |
02454350
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土肥 修司 岐阜大学, 医学部麻酔学講座, 教授 (40155627)
|
Keywords | 脳血管 / 脊髄血流量 / エンドセリン / CO_2 / カルシウム拮抗薬 / cranial window |
Research Abstract |
脳血管のカテコ-ルアミンに対する反応性は他の臓器血管のそれの1/20〜1/30である。炭酸ガス,低酸素血症,カルシウム拮抗薬の影響を受けることが知られているが、脊髄血管についてと同様その薬物感受性機構はよくわかっていない。ごく最近発見された血管内皮由来のペプチドであるエンドセリンは強力な血管収縮作用を有することが知られている。このエンドセリンの脳・脊髄血管に及ぼす影響とエンドセリン存在下でのCO_2とカルシウム拮抗薬の反応性を検討した。 1).ペントバルビタ-ル麻酔されたネコを開頭し、closed cranial windowを作成し、窓下にエンドセリンを10^<-10>,10^<-9>,10^<-8>,10^<-7>M濃度投与し、脳軟膜微小血管(100μm以下)の直径を顕微鏡にて観察計測した。正常PaCO_2下でエドセリンの10^<-9>M以上の濃度は脳軟膜微小血管を濃度依存的に収縮したが、動脈血圧,心拍数には全く影響しなかった。次いで、エンドセリン投与前後に5%炭酸ガスを吸気に加えて、CO_2に対する脳血管の拡張作用を観察したが,エンドセリン投与後はCO_2に対する反応性は有意に抑制された。 2)脊髄血管に対するエンドセリンの作用を,ハロセン麻酔下のイヌにおいて検討した。腰部椎弓切除をし、脊髄血流量を水素クリアランス法で測定した。エンドセリン1nmolの脊髄クモ膜下投与は、脊髄血流量を50%減少されたが,この減少はニカルジピンの1mgの前投与によって抑止された。 これらの結果は,エンドセリンによる脳・脊髄血管の収縮には,少なくとも部分的にプロスタノイドを介した。またカルシウムチャネルを介した機構が関与していることを示唆している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 松宮 直樹,土肥 修司: "エンドセリンの脊髄血流量に及ぼす影響" 麻酔.
-
[Publications] 土肥 修司: "エンドセリン存在下の脳微小血管の炭酸ガスに対する反応性" 麻酔.
-
[Publications] Shuji Dohi: "Effects of cocaine pial arteioles in cats" Stroke. 21. 1710-1714 (1990)