1990 Fiscal Year Annual Research Report
酸素安定同位元素を用いた脳酸素代謝評価法の開発と脳虚血モデルにおける応用
Project/Area Number |
02454353
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 講師 (80175950)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
|
Keywords | 局所脳血流量 / 局所脳酸素消費量 / トリフルオロヨ-ドメタン / 酸素安定同位元素 / 人工血液 |
Research Abstract |
小動物(ラット)における局所脳血流量ならびに局所脳酸素消費量の測定法を開発を試みた。 局所脳血流量の測定:ラットに、その尾静脈よりトリフルオロヨ-ドメタン(CF_3I)を溶存させた生理食塩水を1分間かけて持続注入し、その間6秒毎に動脈血採血を行った。CF_3I投与終了と同時に全脳を摘出し、全脳を大脳皮質、小脳等の各組織に分割した。採取した動脈血ならびに各組織に含まれるCF_3Iの量は、ヘッドスペ-スサンプラ-を装着した質量分析計付ガスクロマトグラフにて測定した。動脈血に含まれるCF_3I量の1分間の推移と脳の各組織に含まれるCF_3Iの量を、オ-トラジオグラフィ-法で用いられている脳血流量算出式に代入することにより、脳の各組織の血流量(局所脳血流量)を求めた。求めた値は、放射性同位元素(RI)を使って測定するオ-トラジオグラフィ-法での値と良く一致していた。従って、今回の研究により、RIを用いない局所脳血流量の測定法が確立できたと考える。 局所脳酸素消費量の測定:ラットに、その頸動脈より酸素安定同位元素( ^<18>O_2)を溶存させた人工血液を瞬時に注入し、注入より1分後に全脳を摘出し、全脳を大脳皮質、小脳等の各組織に分割した。そして、分割した各組織に含まれるH_2 ^<18>Oの量を、ヘッドスペ-スサンプラ-を装着した質量分析計付ガスクロマトグラフにて測定した。脳の各組織に含まれるH_2 ^<18>Oは投与した ^<18>O_2の代謝産物であると考えられる。従って、脳の各組織に含まれるH_2 ^<18>Oを測定することにより、これまで小動物においては測定不能とされていた局所脳酸素消費量の測定が行えると考えた。しかし、平成2年度の研究では、未だ一定した値が算出できず、平成3年度の研究に望みを託しているのが現状である。
|
Research Products
(1 results)