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1992 Fiscal Year Annual Research Report

肝ミクロソーム脂質過酸化に関与する吸入麻酔薬の比較研究

Research Project

Project/Area Number 02454354
Research InstitutionHIROSHIMA UNIVERSITY

Principal Investigator

森脇 克行  広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30157937)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 暢芳  クリーブランドクリニック, 研究員 (30225982)
弓削 孟文  広島大学, 医学部, 教授 (40034128)
藤井 宏融  広島大学, 医学部, 講師 (60034021)
Keywords吸入麻酔薬 / 脂質過酸化 / チトクロムP450 / 還元反応 / 肝ミクロソーム
Research Abstract

セボフルレンはイソフルレンとともに最近臨床応用が開始されてきたが、その肝臓に与える影響についてはあまり検討が行われていない。我々はすでに、セボフルレンを吸入させたモルモットでは、肝ミクロソーム中の過酸化脂質が増加していることを報告した。今年度は、セボフルレンを直接肝ミクロソームと反応させることにより脂質過酸化を起こすか、さらにこれが抗酸化剤で抑制されるか、をペンタンを指標として検討した。 方法;体重225-275gのハートレー系雄モルモットをもちいた。常法により肝ミクロソーム分画沈渣を作製したのち、0.1Mカリウム加燐酸緩衝液で浮遊させて肝ミクロソーム浮遊液とした。シリコンキャップ付き試験管にミクロソーム浮遊液を窒素とともに封入したのち、NADPHとセボフルレンを加え反応を開始させた。37℃で15分間反応させたのち、気相中のペンタンをガスクロマトグラフで測定した。 結果;気相中の酸素濃度とペンタン生成量の関係を図1に示す。セボフルレンがない状態でも少量のペンタンが嫌気下で産生された。これは、これまでも報告してきたように、NADPH-dependent lipid peroxidatio nによるものであろうと考えられる。セボフルレンを加えるとペンタンの生成量はセボフルレンのない状態に比較し増加し、その増加の程度は、酸素濃度の低下と共に増加した。ペンタンの生成が、嫌気的条件で起こることを示している。以下の実験は窒素下で行った。
NADPH投与量の増加に伴いペンタンの生成量が増加した。この結果はペンタンの生成にNADPHを必要とすることを示している。
つぎにセボフルレン濃度とペンタン生成量の関係について検討した。セボフルレン濃度が、2.4mmol/lまでは、セボフルレンの投与量の増加に伴いペンタンの生成は増加たがそれ以上ではペンタンの生成は抑制された。
このペンタンの生成は抗酸化剤である、ビタミンEにより濃度依存性に抑制された。
同じく抗酸化剤である、GSHのペンタン産生に及ぼす影響を検討したところ、ペンタンの生成はGSHにより、やはり濃度依存性に抑制された。
以上の結果より、セボフルレンによるペンタンの生成は、窒素下で最も多く産生され、NADPHを必要とし、加えたセボフルレンの濃度に依存することがあきらかとなった。また、ペンタンの生成量は、抗酸化剤であるビタミンE、GSHにより抑制された。すなわち、セボフルレンが嫌気的条件下でNADPHの存在下に肝ミクロソームで生じる反応と関連して、脂質過酸化がおこることが今回の実験であきらかとなった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 佐藤 暢芳: "体外肝循環中における血中フェンタニールおよびパンクロニウム濃度の変化" 麻酔と蘇生. 28(別). 81-83 (1992)

URL: 

Published: 1994-03-23   Modified: 2016-04-21  

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