1990 Fiscal Year Annual Research Report
ブピバカインの心筋抑制作用と代謝産物との関連について
Project/Area Number |
02454361
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
浅田 章 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00047367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 裕 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70214145)
西 信一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20189244)
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Keywords | ブピバカイン / 2,6ーpipecoloxylidide(PPX) / ラット肝ミクロゾ-ム |
Research Abstract |
ブピバカインの原末はアストラ仕より提供されたものを用いた。これを7週齢の雄ラット肝臓より調製したミクロゾ-ムと反応させ、その反応生成物を高速液体クロマトグラフ(以下HPLC)によって分離、定量を試みた。HPLC上代謝産物と考えられるピ-クは幾つか認められたがそのうちの一つは溶出時間がリドカインのNー〓エチル化代謝産物とほぼ等しかった。従ってブピバカインもリドカインと同様にNー〓イルキル化を受け、2,6ーpipecoloxylidide(PPX)を生成すると考えられた。そこでPPXの原末をスウェ-デンのアストラ仕より入手し、これとHPLCの溶出時間の比較を行ったところ両者は一致した。また、前辻の反応の際に電子伝達物質であるNADPHを添加しない場合は代謝産物のピ-クが出現しなかったことからPPXはブピバカインがミクロゾ-ムによって代謝を受けた結果生じたと考えられた。その他の代謝産物としてブピバカインのベンゼン環が水酸化されて生じたものが考えられるが、これらは生成量が僅少でありまた溶出時間が長くなるため同定・定量は困難であると考えられた。 以上よりブピバカインもリドカインと同様の代謝系路・代謝産物を生ずるがそれらの定量にはやや困難な点があると考えられたため、リドカインとブピバカインの中間の化子構造を有するメピバカインを用いて代謝実験を行った。この結果メピバカインよりPPXの生成の際のKmおよびVmaxは、薬物を投与しないラットミクロゾ-ムを用いた場合は0.072mM,0.41nmel/mm/mg,0.67mM、1.8nmel/mm/mgの2種が得られ、この値はフェノバルビタ-ルおよび3ーメチルアラントレンといった薬物で変化することが判明した。今後は実験条件および定量法に改良を加えてブピバカインについての実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)